EAファーマ 伊企業から統合失調症薬導入/帝人ファーマ、副甲状腺機能低下症薬を申請 など|製薬業界きょうのニュースまとめ(2024年12月13日)
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AnswersNews編集部
EAファーマ、伊企業から統合失調症治療薬を導入…日本とアジア10カ国で
EAファーマは12月13日、イタリアのニューロン・ファーマシューティカルズと、同社が開発した統合失調症治療薬evenamideに関するライセンス契約を結んだと発表した。EAファーマは日本とその他のアジア地域(インドネシア、タイ、シンガポールなど10カ国)での開発・製造・販売権を取得。対価として一時金4400万ユーロ(約70億円)、開発・薬事および販売マイルストンを含む、最大1億1700万ユーロ(約187億円)をニューロンに支払うほか、最大2桁パーセンテージの段階的ロイヤリティをニューロンに支払う。
evenamideはグルタミン酸の過剰放出モジュレーターで、ニューロンが治療効果不十分な統合失調症患者を対象に行った臨床第3相(P3)試験で主要評価項目を達成。精神疾患は腸脳相関や併発症状の観点から消化器領域との関連が指摘されており、EAファーマは消化器領域とのシナジー効果を生み出したい考え。
帝人ファーマ、副甲状腺機能低下症治療薬パロペグテリパラチドを申請
帝人ファーマは12月13日、アセンディス・ファーマ(デンマーク)から導入したパロペグテリパラチド(開発コード・ACP-014)について、副甲状腺機能低下症の適応で申請を行ったと発表した。申請はアセンディスが国内で行ったP3試験の結果に基づく。同薬は1日1回の皮下投与製剤。24時間にわたって血中の副甲状腺ホルモン(PTH)濃度を生理学的範囲に維持でき、根本的な治療薬として期待されている。海外ではアセンディスが欧州で2023年、米国で24年に承認を取得している。
ブリストル「オータイロ」、NTRK 融合遺伝子陽性の固形がんへの適応拡大を申請
ブリストル・マイヤーズスクイブは12月13日、抗がん剤「オータイロ」(一般名・レポトレクチニブ)について、「NTRK 融合遺伝子陽性の固形がん」への適応拡大を申請したと発表した。同薬は、ROS1受容体型チロシンキナーゼ、トロポミオシン受容体キナーゼファミリーを阻害する薬剤。「ROS1 融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の適応で今年11月に発売された。
ラクオリア 武内代表取締役が辞任へ…後任に須藤取締役執行役員
ラクオリア創薬は12月13日、今月末で武内博文代表取締役が辞任し、後任に須藤正樹取締役執行役員が就く人事を発表した。就任は来年1月1日付。23年12月期に続いて24年12月期の通期業績予想を下方修正することになったのに加え、株価も低迷していることを受け、武内氏から代表取締役を辞任する旨の申し出があったという。武内氏は25年3月の株主総会終了時まで取締役として須藤氏をサポートする。須藤氏は、帝人、ファイザー製薬を経て08年にラクオリアに入社。創薬研究部門化学研究部長や事業戦略部長を歴任し、23年から現職。53歳。
「テプミトコ錠」全例調査の承認条件解除
メルクバイオファーマは12月13日、MET阻害薬「テプミトコ錠」(テポチニブ塩酸塩水和物)について、全例調査に関する承認条件が解除されたと発表した。同薬は20年に「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)」の適応で承認されたが、国内の治験症例が極めて限られることから全症例の使用成績調査が条件となっていた。117例の安全性・有効性データにより、適正使用のために必要な措置が講じられていると判断された。
ラクオリアとマルホ、選択的ナトリウムチャネル遮断薬のライセンス契約を終了
ラクオリア創薬は12月13日、マルホとの選択的ナトリウムチャネル遮断薬に関するライセンス契約を終了すると発表した。両社は17年、ラクオリアが創製した同薬の独占的ライセンス契約を結び、マルホが開発を進めていたが、両社で今後の開発について協議した結果、契約終了の合意に至った。契約終了により対象化合物の権利はラクオリアに返還され、マルホが創出した各種データを含めた権利・情報・製造物等はラクオリアが継承する。