「アクーゴ」出荷3カ月先送り、1回目製造「不適合」/「レケンビ」欧州で承認勧告、否定的見解から一転 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2024年11月15日)
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AnswersNews編集部
サンバイオ「アクーゴ」出荷時期を3カ月先送り…1回目の市販品製造「不適合」
サンバイオは11月15日、7月に条件・期限付き承認を取得した再生医療等製品「アクーゴ」について、出荷に関わる条件とされた市販品製造の1回目で不適合となったと発表した。同社は出荷が可能となる時期を「2025年2~4月」としていたが、1回目の製造結果を受けて「同年5~7月」に先送りした。アクーゴは、市販品と治験製品の同等性/同質性を評価し、必要な承認事項一部変更承認を取得するまで出荷しないことが承認条件の1つとされた。サンバイオはこの条件をクリアするために2回程度の市販品製造を計画していたが、1回目は1つの規格値で不適合となった。同社は「ほかの規格値はすべて適合し、特性解析結果も治験製品と同等の成績を得た。細胞の不均一性によって一定程度の規格外品が生じることは想定しており、今回はその範囲内」としている。2回目の製造はすでに開始しており、規格に適合する製造結果が2回分得られ次第、一変申請を行う予定。
エーザイのアルツハイマー病薬「レケンビ」欧州で承認勧告、否定的見解から一転
エーザイは11月15日、アルツハイマー病治療薬「レケンビ」(一般名・レカネマブ)について、欧州医薬品委員会(CHMP)から承認勧告を受けたと発表した。CHMPは今年7月に承認に否定的な見解を採択し、エーザイが再審議を請求していた。欧州委員会は今後、勧告に基づいて最終的な承認の可否を決める。承認勧告を受けた適応は「ApoEε4ステータスが非保有またはヘテロ接合体である成人におけるアルツハイマー病による軽度認知障害または軽度認知症の治療」。脳浮腫や脳出血の副作用リスクの観点から、ApoEε4ホモ接合体の患者は除外された。
MSD、HPVワクチン「シルガード9」男性への対象拡大申請…肛門がんの適応追加も
MSDは11月15日、9価HPVワクチン「シルガード9水性懸濁筋注シリンジ」について、男性への接種対象拡大と肛門がん予防の適応追加を申請したと発表した。男性向けには4価の「ガーダシル」が2020年に承認されている。今回の申請が承認されれば、9価ワクチンについても肛門がんと尖圭コンジローマの予防のために男性に接種できるようになる。女性向けの現在の適応は子宮頸がんや尖圭コンジローマなどで、承認されればこれに肛門がんが追加されることになる。シルガード9は90以上の国と地域で男性向けの承認を取得している。
ファイザー、JN.1対応の「コミナティ」小児用を発売
ファイザーは11月15日、新型コロナウイルスワクチン「コミナティ」について、オミクロン株JN.1系統に対応した小児用の製剤を発売したと発表した。発売したのは、1バイアルに1人分の用量を含む5~11歳用と、1バイアル3人分の6カ月~4歳用。2024/25シーズンの任意接種用ワクチンとして提供する。
「改革の歩み止めるな」製薬団体、中間年改定廃止など要望
日本製薬工業協会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会は11月15日、政府に対して中間年薬価改定の廃止などを求める共同声明を発表した。今年度の薬価制度改革を「これまで行われてきた政策のネガティブな流れを変える重要な一歩として歓迎している」とし、「国際的に競争力がある創薬イノベーション・エコシステムに転換していくためには、改革の歩みを止めず、決して後退してはならない」と指摘。政府で中間年改定の適用ルール拡大などが検討されていることを念頭に、中間年改定を廃止し、制度改革が後退することがないよう求めるとともに、省庁横断的な組織の下で医薬品産業に関する国家戦略を策定することを要望した。