アステラス「アイザーヴェイ」欧州で申請取り下げ/塩野義、25年3月期業績予想を上方修正 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2024年10月28日)
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AnswersNews編集部
アステラス「アイザーヴェイ」欧州で申請取り下げ
アステラス製薬は10月28日、地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性の治療薬として開発中の補体因子C5阻害薬「アイザーヴェイ」(一般名・avacincaptad Pegol)について、欧州での申請を取り下げると発表した。同社は「EMA(欧州医薬品庁)の欧州医薬品委員会(CHMP)との議論の結果に基づく」としている。同薬は2023年8月に米国で承認され、欧州でも同月、EMAが申請を受理した。アステラスは同薬の便益がリスクを上回るとの認識は変えていないと強調し、「欧州を含む世界中の患者に届けるため、各国の規制当局と議論を継続し、利用可能な選択肢を検討していく」としている。
塩野義、25年3月期業績予想を上方修正…HIV薬ロイヤリティ上振れ
塩野義製薬は10月28日、2025年3月期の業績予想を上方修正したと発表した。修正後の予想は▽売上収益4600億円(従来予想比50億円増)▽営業利益1650億円(50億円増)▽税引き前利益2060億円(60億円増)▽純利益1710億円(80億円増)――。前期比では5.7%の増収、7.6%の営業増益となる。国内医療用医薬品は感染症治療薬の下振れで従来予想を下回る一方、抗HIV薬のロイヤリティ収入が拡大。ネクセラファーマと販売提携した不眠症治療薬「クービビック」の貢献も見込む。
決算
塩野義製薬(24年4~9月期、10月28日発表)
▽売上収益2139億7000万円(前年同期比7.2%減)▽営業利益758億6900万円(22.7%減)▽税引き前利益938億3300万円(18.8%増)▽中間利益831億3300万円(8.2%減)――。米国と欧州で抗菌薬「セフィデロコル」が伸び、抗HIV薬のロイヤリティ収入も拡大した一方、前年同期にADHD治療薬のライセンス移管に伴って武田薬品工業から受け取った一時金を計上した反動が出た。25年3月期の業績予想は、売上収益4600億円(5.7%増)、営業利益1650億円(7.6%増)と従来予想から50億円上方修正。抗HIV薬のロイヤリティ収入が伸びるほか、ネクセラファーマと販売提携した不眠症治療薬「クービビック」の貢献を見込む。