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感染症流行で咳止め薬「メジコン」などに検索集まる―総合臨床アプリで医師が最も検索した薬剤は?(2024年4~6月)

更新日

亀田真由

医師向け総合臨床アプリ「Antaa」(アンター)に掲載されている薬剤情報の中で、2024年4~6月の会員医師(医学生を含む)による検索数が多い医薬品をランキングしました。

 

1位は「デエビゴ」

2024年4~6月にアンターで医師が最も検索した薬剤は、エーザイの不眠症治療薬「デエビゴ錠」(一般名・レンボレキサント)でした。

 

2位は塩野義製薬の鎮咳薬「メジコン散/錠/配合シロップ」(デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物)。6月に入ってから、新型コロナウイルス感染症などの流行で需要が伸びており、前回(1-3月)の5位からランクアップしました。あゆみ製薬の解熱鎮痛薬「カロナール原末/坐剤/坐剤小児用/細粒/錠/シロップ」(アセトアミノフェン)も8位に入っています。

 

3位は第一三共の抗凝固薬「リクシアナOD錠/錠」(エドキサバントシル酸塩水和物)でした。同薬効ではブリストル・マイヤーズスクイブの「エリキュース錠」(アピキサバン)が10位。いずれも前回から順位を上げました。

 

【2024年4~6月医師が最も検索した薬剤(製品別)】〈順位/製品名/薬効〉1/↑/デエビゴ錠/|/オレキシン受容体拮抗薬|2/↑/メジコン散/錠/配合シロップ/|/鎮咳薬(非麻薬性)|3/↑/リクシアナOD錠/錠/|/直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)|4/↑/パルモディア錠/XR錠/|/フィブラート系|5/↓/エンレスト錠/粒状錠小児用/|/アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)|6/↑/プリンペラン錠/細粒/注射液/シロップ/|/ドパミン受容体拮抗薬|7/↑/ベオーバ錠/|/β3刺激薬 8/↑/カロナール原末/坐剤/坐剤小児用/細粒/錠/シロップ/|/アセトアミノフェン|8/↑/モビコール配合内用剤/|/浸透圧性下剤|10/↑/エリキュース錠/|/直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)|11/↓/タリージェ錠/OD錠/|/神経障害性疼痛治療薬|12/↑/タケキャブ錠/OD錠/|/プロトンポンプ阻害薬(PPI)|13/↑/セレネース注/内用液/錠/細粒/|/定型抗精神病薬(ブチロフェノン系)|14/↑/オーグメンチン配合錠/|/β-ラクタマーゼ阻害薬配合薬|14/↑/リベルサス錠/|/GLP-1受容体作動薬|16/↓/アミティーザカプセル/|/ClC-2チャネル活性化剤|17/↑/ジャディアンス錠/|/SGLT2阻害薬|18/↑/ベルソムラ錠/|/オレキシン受容体拮抗薬|19/↑/エブランチルカプセル/|/α1遮断薬|20/↓/ベタニス錠/|/β3刺激薬

 

前回ランク圏外からトップ20入りしたのは、4位のフィブラート系高脂血症治療薬「パルモディア錠/XR錠」(興和)や13位の抗精神病薬「セレネース注/内用液/錠/細粒」(住友ファーマ)など。パルモディアは23年11月に徐放性製剤を発売しており、従来製剤とともに検索を伸ばしました。

 

【ピックアップ】GLP-1受容体作動薬

糖尿病や肥満症の領域で市場を拡大するGLP-1受容体作動薬に限ってランキングしてみると、1位はノボノルディスクファーマの経口薬「リベルサス錠」(セマグルチド)。全体ランキングでも14位と、SGLT2阻害薬なども含む糖尿病治療薬でトップの検索数となりました。経口の利便性でGLP-1製剤市場の半分ほどを押さえているといい、多くの医師が関心を寄せていることがうかがえます。

 

2位は日本イーライリリーのGIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ皮下注」(チルゼパチド)。同薬は爆発的な需要の拡大で供給が不足し、限定出荷が続いていましたが、6月に通常出荷を再開。それに伴って検索数も伸びました。3位は同社の「トルリシティ皮下注」(デュラグルチド)でした。

 

【2024年4~6月医師が最も検索したGLP-1受容体作動薬】〈順位/製品名〉1/リベルサス錠|2/マンジャロ皮下注|3/トルリシティ皮下注|4/ビクトーザ皮下注|5/オゼンピック皮下注|※医師向け総合臨床アプリ「Antaa」提供データをもとに作成

 

リベルサスと有効成分が同じ「オゼンピック皮下注」は5位。肥満症の適応を持つ「ウゴービ皮下注」は6位で、上位5製品はすべて糖尿病治療薬となりました。

 

【データ提供】医師向け総合臨床アプリ「Antaa」(アンター)
スライドやオンデマンド配信、診療相談、薬剤検索などを提供し、医師が現場で行う判断を幅広くサポートする臨床アプリ。薬剤情報については、医師の処方の観点からほかの薬剤との比較を主眼に2万以上の薬剤の特徴を簡潔にまとめている。薬効検索や腎機能表示、疑義照会、レセプト返戻にも対応し、忙しい外来でも処方に必要な情報を確認できるのが特徴。全ての薬剤に専門医のコメントが掲載されており、処方した医師の実感などを確認できる。iOS・Androidアプリ。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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