国内主要製薬企業の2024年12月期第2四半期決算のハイライトを、コンパクトなビジュアルとともにお届けします。随時更新(公開:7月26日、最終更新:8月5日)。
JT(8月2日発表)
医薬事業の売上収益441億円(前年同期比7.5%減)、調整後営業利益40億円(60.2%減)。
子会社・鳥居薬品が販売するアトピー性皮膚炎治療薬やアレルゲン免疫療法が売り上げを伸ばした一方、前年同期に導出品のライセンス契約に伴う一時金収入を計上した反動で減収。研究開発費の増加も利益に影響した。24年12月期の業績予想は、売上収益930億円(従来予想比45億円増)、調整後営業利益70億円(30億円増)に上方修正。鳥居薬品の増収や円安によるロイヤリティ収入の増加を見込む。
大塚ホールディングス(8月1日発表)
▽売上収益1兆1089億3000万円(前年同期比17.0%増)▽営業利益1262億7900万円(3.4%減)▽中間利益1077億9500万円(5.1%増)。
抗精神病薬「レキサルティ」(約1224億円、27.4%増)や抗悪性腫瘍薬「ロンサーフ」(518億円、45.3%増)などが好調だった一方、減損損失を計上した影響で営業利益は減少した。24年12月期は売上収益2兆3150億円(前期比14.7%増)、営業利益3020億円(116.3%増)を予想。レキサルティやロンサーフが好調で売上収益は従来予想から1750億円上方修正した一方、減損損失の計上で営業利益は280億円引き下げた。
協和キリン(8月1日発表)
▽売上収益2329億7400万円(前期比16.9%増)▽コア営業利益441億3600万円(17.8%増)▽税引前中間利益465億2200万円(78.6%増)▽中間利益377億7700万円(74.5%増)。
X染色体連鎖性低リン血症治療薬「クリースビータ」などのグローバル戦略品が北米を中心に伸び、技術収入も増加した。24年12月期の業績予想は、売上収益4920億円(従来予想比190億円増)、コア営業利益920億円(70億円増)に上方修正。想定レートを円安方向に見直した。
鳥居薬品(7月31日発表)
▽売上高283億900万円(前年同期比10.2%増)▽営業利益31億4100万円(107.9%増)▽経常利益29億8500万円(93.5%増)▽純利益22億2100万円(104.4%増)。
主力の高リン血症・鉄欠乏性貧血治療薬「リオナ」やアトピー性皮膚炎治療薬「コレクチム」、アレルゲン免疫療法「シダキュア」などが好調。前期にライセンス契約一時金を計上した反動で利益は大幅に増加した。24年12月期の業績予想は売上高607億円(11.1%増)、営業利益63億円(25.1%増)を据え置いた。
中外製薬(7月25日発表)
▽売上収益5528億6000万円(前年同期比4.6%減)▽営業利益2581億9500万円(22.4%増)▽中間利益1862億6200万円(18.9%増)。
新製品の抗がん剤「フェスゴ」や眼科用VEGF/Ang-2阻害薬「バビースモ」や主力の抗IL-6受容体抗体「アクテムラ」などが好調に推移した一方、新型コロナウイルス感染症治療薬「ロナプリーブ」の売り上げ減などが響いた。海外向けの血友病A治療薬「へムライブラ」は前年同期比54.6%増と大きく伸び、利益拡大に貢献した。24年12月期の業績予想は、売上収益1兆700億円(前期比3.7%減)、コア営業利益4600億円(2.1%増)を据え置いた。