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GLP-1受容体作動薬 糖尿病・肥満以外で進む研究開発―アルコール依存症、アルツハイマー病、循環器疾患…【海外ニュース】

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ロイター通信

イーライリリーの糖尿病薬「マンジャロ」とノボノルディスクの同「オゼンピック」(ロイター)

 

[ロイター]大ヒット薬となった米イーライリリーの「マンジャロ」「ゼップバウンド」やデンマーク・ノボノルディスクの「オゼンピック」「ウゴービ」が、糖尿病や肥満症以外の疾患の治療に使えるのか、世界中で研究開発が行われている。

 

ノボは3月5日、標準治療にオゼンピックを上乗せすることで糖尿病患者の腎臓病の進行が抑制されたとする大規模臨床試験の結果を発表した。

 

糖尿病や肥満症以外でこれらの薬剤がテストされている疾患をまとめた。

 

アルコール依存症

コペンハーゲン大精神医学センターが行っている研究では、アルコール使用障害および肥満と診断された患者108人を対象に、セマグルチド(オゼンピックとウゴービの有効成分)を投与することでアルコールの摂取量を減少させることができるかどうか検討されている。

 

アルツハイマー病

ノボは、初期のアルツハイマー病患者を対象にセマグルチドをテストする試験を行っている。試験には1840人の患者が登録され、早ければ2025年にprimary completionに到達する可能性がある。

 

循環器疾患

リリーはチルゼパチド(マンジャロとゼップバウンドの有効成分)について、心不全と肥満の患者を対象とした臨床試験を行っている。試験には約700人を登録する計画で、24年7月までに完了する見込みだ。

 

香港中文大の研究者は、脳卒中の患者を対象に、セマグルチドを機械的血栓回収療法と併用する研究を行っている。標準治療との比較で有効性を検証しており、中期研究では約140人の患者登録を目指している。

 

慢性腎臓病

ノボは、オゼンピックが糖尿病患者の慢性腎臓病(CKD)の進行を遅らせ、死亡や心血管イベントのリスクを24%抑制したとする臨床試験の結果を発表した。しかし、その効果は投資家の期待を下回った。

 

リリーのチルゼパチドは、肥満患者のCKDを対象とする中期試験で評価が行われている。同社はこの試験に最大140人の被験者を登録する予定だ。

 

肝疾患

ノボは、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に対するセマグルチドの有効性を検証する後期試験を行っている。試験には約1200人の患者が登録され、早ければ28年に終了すると予想されている。

 

リリーのチルゼパチドは、200人近い患者を対象に行われている中期試験でNASHへの効果が評価されている。

 

神経学的障害

デンマーク頭痛センターの研究者らは、特発性頭蓋内圧亢進症(肥満に関連して頭蓋骨内部の圧力が上昇する疾患)の治療法として、セマグルチドと超低カロリーの食事の併用を試験している。この研究では約50人の患者を募集し、早ければ25年までに完了することを目指している。

 

睡眠時無呼吸

リリーのチルゼパチドは、肥満の閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者を対象とした後期試験を行っている。試験には469人の患者が登録される予定だ。

 

(取材:Patrick Wingrove、Sriparna Roy/編集:Bill Berkrot、Devika Syamnath/翻訳:AnswersNews)

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