エーザイ、アルツハイマー病薬「レケンビ」20日に発売へ｜製薬業界きょうのニュースまとめ（2023年12月13日）

エーザイ「レケンビ」20日に発売、ピーク時986億円予測

エーザイは12月13日、アルツハイマー病治療薬「レケンビ点滴静注」（一般名・レカネマブ）を今月20日に発売すると発表した。13日の中央社会保険医療協議会（中医協）総会で20日付の薬価収載が了承された。薬価は原価計算方式で算定され、有用性加算I（45%）がついた結果、200mg2mL1瓶4万5777円、500mg5mL1瓶11万4443円となった。体重50kgの患者の場合、年間の薬剤費は約298万円となる。ピーク時の2031年度に年間投与患者数3.2万人、年間販売金額986億円を見込む。レケンビの発売は米国に次いで2カ国目。日本では提携先のバイオジェン・ジャパンと共同販促を行う。

塩野義の抗菌薬「フェトロージャ」20日薬価収載

中医協総会は12月13日、エーザイのアルツハイマー病治療薬「レケンビ点滴静注」（レカネマブ）と塩野義製薬の抗菌薬「フェトロージャ点滴静注用」（セフィデロコルトシル酸塩硫酸塩水和物）の薬価収載を了承した。収載は20日付。フェトロージャは新規シデロフォアセファロスポリン系抗生物質製剤。カルバペネム耐性グラム陰性菌による感染症に対する治療薬として11月30日に承認された。ピーク時に15億円の販売を見込む。詳しくはトピックスで。

鳥居薬品、イネ科花粉症に対する舌下免疫療法薬を導入…デンマークのALKから

鳥居薬品は12月13日、デンマークのALK-Abelloと、イネ科花粉症に対するアレルゲン免疫療法（舌下免疫療法）薬「GRAZAX」の日本での独占的開発・商業化権に関するライセンス契約を結んだと発表した。GRAZAXはALKが2006年にドイツで最初に発売した薬剤で、これまでに欧米など世界34カ国で承認されている。両社はダニアレルギーに対する「ミティキュアダニ舌下錠」やスギ花粉症に対する「シダキュアスギ花粉舌下錠」でも提携しており、医療関係者や患者からは、イネ科花粉による花粉症を対象としたアレルゲン免疫療法についても開発を求める声が寄せられていたという。鳥居は契約に基づき、国内開発の進捗に応じて総額1300万ユーロ（約20億円）のマイルストンを支払う。

エーザイ、みずほと「サステナビリティ・リンク・ローン」

エーザイは12月13日、みずほ銀行とサステナビリティ・リンク・ローンの融資契約を結び、同日実行されたと発表した。サステナビリティ・リンク・ローンは、企業が経営戦略に連携して設定したサステナビリティ目標の達成状況に応じて金利などの借り入れ条件が変動するもの。エーザイは日本と米国での「レケンビ」の社会的インパクト創出を目標に設定した。調達した資金は、▽米国と新興国でのレケンビの低所得者向け無償提供プログラム▽認知症エコシステムの構築▽顧みられない熱帯病、マラリア、結核などの制圧――などに活用する。

シオノギヘルスケア、台湾市場に参入

シオノギヘルスケアは12月13日、台湾のBoraヘルスと提携し、台湾市場に参入したと発表した。同社とOTC医薬品・健康食品の独占的な販売提携契約を結び、現地で本格的に事業を開始した。Boraヘルスは、台湾とアジア地域で健康食品やOTC、処方薬の販売・代理販売を手掛ける企業。シオノギヘルスケアは「長年日本で支持されてきたシオノギブランドの商品を届け、グローバルなセルフメディケーションと健康増進に貢献していく」としている。

アクセリード、疾患モデル動物使った創薬支援でインビボサイエンスと協業

Axcelead Drug Discovery Partners（ADDP、神奈川県藤沢市）は12月13日、インビボサイエンス（東京都目黒区）と疾患モデル動物を使った創薬支援サービスに関する協業契約を結んだと発表した。インビボサイエンスは、実験動物中央研究所の技術をもとに開発されたNOGマウスやヒト化マウスといった疾患モデル動物を供給している。協業を通じて、確度の高いin vivo評価を迅速に提供できるようになる。ADDPは、インビボサイエンスからヒト化マウスモデルの特性や作出に関する知見・技術を得ることで、疾患モデル動物作出のケイパビリティを高める。