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リリーの肥満症治療薬「Zepbound」など10新薬が承認|2023年11月に米FDAが承認した新薬

更新日

亀田真由

(写真:ロイター)

 

2023年11月に米FDA(食品医薬品局)が承認した主な新薬と適応拡大を、領域別にまとめました。

 

【新薬】武田の大腸がん治療薬「Fruzaqla」など

【2023年11月に米FDAが承認した主な新薬】*=優先審査、★=ブレークスルーセラピー〈製品名/一般名/社名/適応/開発状況〉がん/Fruzaqla*/fruquintinib/武田薬品工業/治療歴を有する転移性大腸がん(成人)/申請|Augtyro*/repotrectinib/ブリストル/ROS1融合遺伝子陽性の局所進行・転移性非小細胞肺がん/P3|Truqap*/capivasertib/アストラゼネカ/HR陽性、HER2陰性の局所進行・転移性乳がん(+Faslodex)/P3|Ryzneuta/efbemalenograstim alfa/ Evive/発熱性好中球減少症による感染症の発生率の減少|Ogsiveo*★ /nirogacestat/全身療法が必要な進行デスモイド腫瘍|代謝・腎/Zepbound*/tirzepatide/肥満または過体重(成人)/開発後期|Defencath*/taurolidine/heparin/CorMedix|消化器/Voquezna/vonoprazan fumarate/びらん性胃食道逆流症(成人)/承認|血液/Adzynma*/武田薬品工業/先天性血栓性血小板減少性紫斑病/申請|ワクチン/Ixchiq*★/ヴァルネヴァ/チクングニアウイルスによる疾患の予防 (18歳以上)|※米FDA(食品医薬品局)や各社の発表資料をもとに作成。国内開発状況は各社のパイプライン情報などを参照 【2023年11月に米FDAが承認した主な新薬】*=優先審査、★=ブレークスルーセラピー〈製品名/一般名/社名/適応/開発状況〉がん/Fruzaqla*/fruquintinib/武田薬品工業/治療歴を有する転移性大腸がん(成人)/申請|Augtyro*/repotrectinib/ブリストル/ROS1融合遺伝子陽性の局所進行・転移性非小細胞肺がん/P3|Truqap*/capivasertib/アストラゼネカ/HR陽性、HER2陰性の局所進行・転移性乳がん(+Faslodex)/P3|Ryzneuta/efbemalenograstim alfa/ Evive/発熱性好中球減少症による感染症の発生率の減少|Ogsiveo*★ /nirogacestat/全身療法が必要な進行デスモイド腫瘍|代謝・腎/Zepbound*/tirzepatide/肥満または過体重(成人)/開発後期|Defencath*/taurolidine/heparin/CorMedix|消化器/Voquezna/vonoprazan fumarate/びらん性胃食道逆流症(成人)/承認|血液/Adzynma*/武田薬品工業/先天性血栓性血小板減少性紫斑病/申請|ワクチン/Ixchiq*★/ヴァルネヴァ/チクングニアウイルスによる疾患の予防 (18歳以上)|※米FDA(食品医薬品局)や各社の発表資料をもとに作成。国内開発状況は各社のパイプライン情報などを参照

 

がん

Fruzaqla|武田薬品工業

VEGFR1/2/3阻害薬「Fruzaqla」(fruquintinib)は、治療歴を有する転移性大腸がんの治療薬。フルオロピリミジン、オキサリプラチン、イリノテカンを含む化学療法、抗VEGF療法、抗EGFR療法(RAS野生型で医学的に適切な場合)の治療歴がある成人患者が対象です。最良支持療法への上乗せを検討した臨床試験では、プラセボと比べて全生存期間を有意に改善しました。日本と欧州でも申請中です。

 

Augtyro|米ブリストル

ROS1阻害薬「Augtyro」(repotrectinib)は、局所進行・転移性のROS1陽性非小細胞肺がん治療薬。チロシンキナーゼ阻害薬の投与歴がある患者とない患者を対象とした臨床試験では、高い奏効率と持続的な奏功を示しました。日本や欧州でも開発が行われています。

 

Truqap|英アストラゼネカ

AKT阻害薬「Truqap」(capivasertib)は、Faslodex(fulvestrant)との併用療法が「HR陽性、HER2陰性の局所進行・転移性乳がん」の適応で承認されました。PIK3CA、AKT1、PTENいずれか1つ以上のバイオマーカーの変化を有する患者が対象です。臨床試験では、Faslodex単剤と比べて疾患の進行または死亡のリスクを50%軽減することが確認されました。日本や欧州、中国でも申請中です。

 

Ryzneuta|米Evive

「Ryzneuta」(efbemalenograstim alfa)は、発熱性好中球減少症による感染症の発生率を減少させる長時間作用型G-CSF製剤。骨髄抑制性の抗がん剤投与を受ける非骨髄性悪性腫瘍患者を対象としています。中国で今年5月に承認を取得しており、欧州でも申請中です。

 

Ogsiveo|米スプリングワークス

γセクレターゼ阻害薬「Ogsiveo」(nirogacestat)は、全身療法が必要な進行デスモイド腫瘍治療薬として承認。同疾患に対する治療薬は米国初となります。臨床試験では、プラセボと比べて無増悪生存期間を有意に改善しました。欧州では来年の申請を予定しています。

 

代謝・腎

Zepbound|米イーライリリー

GIP/GLP-1受容体作動薬「Zepbound」(tirzepatide)は、肥満または過体重を対象に承認を取得。臨床試験では、食事療法や運動の補助として服用した場合、プラセボと比べて有意に体重を減少させることが確認されました。欧州でも申請中で、日本では開発の後期段階にあります。

 

Defencath|米CorMedix

「Defencath」は、「カテーテル関連血流感染(CRBSI)の発生率の低下」の適応で承認。中心静脈カテーテルによる血液透析を受ける成人の腎不全患者に使用されます。臨床試験では、CRBSIのリスクを最大71%低減することが確認されました。

 

消化器

Voquezna|米Phathom

プロントポンプ阻害薬「Voquezna」(vonoprazan fumarate、国内製品名・タケキャブ)は、びらん性胃食道逆流症の治療薬。米国では先行してヘリコバクター・ピロリ除菌用のパック製剤が承認されていました。Phathomは、vonoprazanを開発するために武田薬品工業と米投資ファンドのフレージャー・ヘルスケアパートナーズが設立した企業。欧米、カナダでのvonoprazanの独占的開発・販売権を持っています。

 

血液

Adzynma|武田薬品工業

「Adzynma」は、先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)に対するADAMTS13 酵素補充療法。成人・小児患者の予防的治療やオンデマンド治療に使用されます。cTTPはまれな血液凝固障害。同疾患に対する治療薬は米国初となります。日本と欧州でも申請中です。

 

ワクチン

Ixchiq|仏ヴァルネヴァ

「Ixchiq」は、米国初のチクングニア熱ワクチン。抗チクングニアウイルス中和抗体価に基づき迅速承認されました。18歳以上のチクングニアウイルスに暴露されるリスクの高い人に使用できます。欧州では11月に申請しました。

 

【適応拡大】「Xtandi」の非転移性去勢感受性前立腺がんなど

【2023年11月に米FDAが承認した主な適応拡大】*=優先審査〈製品名/一般名/社名/適応/どう適応での開発状況〉がん/Keytruda /pembrolizumab/メルク/局所進行・切除不能または転移性のHER2陰性胃がん・食道胃接合部がん(+プラチナ製剤+フッ化ピリミジン系製剤)/申請|Xtandi*/enzalutamide/アステラス製薬/生化学的再発のリスクが高い非転移性去勢感受性前立腺がん|※米FDA(食品医薬品局)や各社の発表資料をもとに作成

 

がん

Keytruda|米メルク

抗PD-1抗体「Keytruda」(pembrolizumab)は、プラチナ製剤、フッ化ピリミジン系製剤との併用療法が「局所進行・切除不能または転移性HER2陰性胃がん・食道胃接合部がん」の1次治療に使用できるようになりました。臨床試験では、化学療法単独と比べて全生存期間を改善。日本や欧州でも同適応で申請中です。

 

Xtandi|アステラス製薬

アンドロゲン受容体シグナル阻害薬「Xtandi」(enzalutamide)は、新たに「生化学的再発のリスクが高い非転移性去勢感受性前立腺がん」(非転移性ホルモン感受性前立腺がんとしても知られる)に適応拡大。単独療法またはGnRH両方との併用療法で治療します。欧州でも申請中。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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