スプリセル後発品、沢井製薬に製造販売禁じる仮処分命令｜製薬業界きょうのニュースまとめ（2023年11月29日）

スプリセル後発品、沢井に製造販売禁じる仮処分命令

抗がん剤「スプリセル」（一般名・ダサチニブ）をめぐる特許係争で、製造販売元のブリストル・マイヤーズスクイブは11月29日、東京地裁が沢井製薬に後発医薬品の製造販売を禁止する仮処分命令を出したと発表した。ブリストルは今年7月、慢性骨髄性白血病を効能・効果に含む後発品の製造販売が特許侵害にあたるとして仮処分を申し立てていた。仮処分命令により沢井は、特許が満了する来年1月27日まで、慢性骨髄性白血病を効能・効果に含む添付文書を改訂しない限りスプリセル後発品を製造販売できない。ブリストルは「必要とする患者に確実に届けられるよう、在庫によって十分まかなえる態勢を整えている」としている。

dポイント会員に治験情報提供…アイロムG、NTTコムと提携

アイロムグループは11月29日、臨床試験の効率化に向けてNTTコミュニケーションズと提携すると発表した。協業の第1弾として、NTTドコモのポイント会員制度「dポイントクラブ」の一部会員700万人に治験の情報を提供し、被験者のリクルートメントを実施。生活圏など会員の属性に応じた情報提供や治験実施施設への誘導を行い、効率的に被験者を掘り起こし、治験期間の短縮を目指す。両社は今後、アイロムGの提携医療機関のIT環境整備やePRO・eConsent導入を進め、オンライン治験普及の土台を整える。医療機関へのICTソリューション導入や治験を含む臨床研究全体の支援事業で、両社合わせて2030年に500億円規模のビジネスにすることを目指す。

PRISM BioLab、米リリーとライセンス契約…最大973億円

PRISM BioLab（神奈川県藤沢市）は11月29日、米イーライリリーとライセンス・共同研究契約を結んだと発表した。PRISMの低分子ペプチド模倣技術「PepMetics技術」を使い、リリーの創薬ターゲットに対する開発候補化合物を共同開発する。リリーは2つの創薬標的を追加するオプションを持ち、候補化合物を臨床開発・商業化する権利を得る。PRISMは、契約一時金と最大6億6000万ドル（約973億円）のマイルストン、売上高に応じたロイヤリティを受け取る。