沢井製薬、テプレノン安定性モニタリングで不正…カプセル詰め替え溶出試験
サワイグループホールディングス(GHD)は10月23日、子会社・沢井製薬が九州工場(福岡県飯塚市)で製造する胃炎・胃潰瘍治療薬「テプレノンカプセル50mg『サワイ』」について、安定性モニタリングの溶出試験で不正が行われていたと発表した。2015年以降、カプセルから内容物である顆粒を取り出し、新しいカプセルに詰め替えて試験を行っていた。
同日公表した特別調査委員会の報告によると、13年に溶出試験で規格外が発生した際、当時の九州工場の上層部が溶出性低下の原因を調査するためカプセルを詰め替えて試験を行うよう指示。この時、沢井はGMPに基づく原因究明や是正措置を行わず、カプセルを詰め替えて行った試験で規格内の結果が出たことで手続きを終了。これをきっかけに、試験担当者らはカプセルを詰め替えて試験を行うことが上層部からの指示だと考え、不正が継続的に行われることになったとしている。同工場の管理職以上の上層部が不正を指示したり、黙認した事実は認められなかったという。同工場で製造するテプレノンカプセル以外に同様の不正はなかった。
沢井は、テプレノンカプセルが溶出試験の結果が承認規格に適合しなかったとして、今年7月に使用期限内の全ロットについて自主回収を開始。サワイGHDは「役員・従業員が一丸となって再発防止に向けた取り組みを徹底的に遂行し、信頼回復に最大限努める」としている。
ヤンセン、マシテンタン/タダラフィル配合剤を申請…PAHの適応で
ヤンセンファーマは10月23日、エンドセリン受容体拮抗薬マシテンタンとホスホジエステラーゼ5阻害薬タダラフィルの配合剤を肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬として申請したと発表した。申請の根拠となった臨床第3相(P3)試験では、それぞれの単剤療法との比較で肺血管抵抗を有意に改善した。配合剤は1日1回の経口投与で、配合剤の投入によって服薬の負担軽減を期待する。
「エンハーツ」欧州で非小細胞肺がん2次治療の適応取得
第一三共と英アストラゼネカは10月23日、抗HER2抗体薬物複合体(ADC)「エンハーツ」(一般名・トラスツズマブ デルクステカン)について、欧州で「HER2遺伝子変異を有する進行性非小細胞肺がん2次治療」への適応拡大が承認されたと発表した。欧州では乳がん、胃がんに続く3つ目のがん種となる。承認に伴い、第一三共は提携先のアストラゼネカから開発マイルストンとして7500万米ドル(約112億円)を受領する。
シミック、国がんのオンライン治験を支援
シミックは10月23日、国立がん研究センターと、オンライン治験の基盤構築に関する契約を結んだと発表した。国がん中央病院は希少がんを対象とした2つの医師主導治験でオンライン治験を行っており、シミックはシステム構築、中央病院とパートナー施設の連携支援、手順書作成などの支援を行っているという。