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ニュース解説

RSウイルスワクチン、GSKがライバル抑え開発競争に勝利

更新日

ロイター通信

(写真:ロイター)

 

[ロイター]英グラクソ・スミスクラインは5月2日、米国でRSウイルスワクチンの承認を世界で初めて取得し、ライバルであるファイザー(米)、モデルナ(同)、バイエルン・ノルディック(デンマーク)に先んじることに成功した。

 

RSウイルスは一般的な呼吸器系ウイルスで、通常は風邪に似た軽い症状を引き起こすが、重症化して入院することもある。アナリストは、RSウイルスワクチンの市場が2030年までに100億ドルを超える可能性があると指摘している。

 

RSウイルスに対するワクチンや治療薬を開発している企業とその開発状況をまとめた。

 

GSK

米FDA(食品医薬品局)は2日、GSKのRSウイルスワクチン「Arexvy」を承認した。欧州の当局も4月下旬、このワクチンの承認を勧告している。同社は、米国で次のRSウイルスの流行シーズンが始まる前に同ワクチンが利用可能になることを期待している。

 

GSKのワクチンは60歳以上の成人を対象とした後期臨床試験で、RSウイルス感染に対して82.6%の有効性を示したことが昨年10月に公表されている。

 

ファイザー

ファイザーは、高齢者向けだけでなく、妊婦に接種することで乳児の感染を出生時から予防するワクチンの開発を進めている。FDAは同社のRSウイルスワクチンの成人への使用について、今月中に承認の可否を判断する予定だ。

 

ファイザーは昨年11月、同社のRSウイルスワクチンを妊婦に接種した場合、乳児の重症感染症を予防する効果が81.8%だったとする後期臨床試験の結果を発表した。同社は、60歳以上の成人を対象とした別の臨床試験でも66.7%の有効性が示されたと昨年8月に発表している。

 

モデルナ

モデルナが開発中のRSウイルス用mRNAワクチンは、60歳以上の成人を対象に行った後期臨床試験で、咳や発熱など少なくとも2つの症状を予防する効果が83.7%だったと発表している。

 

同社は60歳以上を対象とするRSウイルスワクチン「mRNA-1345」について、今年第2四半期に米国で申請する方針だ。

 

サノフィ/アストラゼネカ

仏サノフィと英アストラゼネカは昨年11月、抗RSウイルス抗体ニルセビマブについて、乳児のRSウイルス関連疾患の予防を目的に欧州で承認を取得した。FDAも審査を進めている。

 

ニルセビマブは後期臨床試験で、いくつかの種類の下気道感染症に対してプラセボと比較して74.5%の有効性を示した。

 

メルク

米メルクも、乳幼児のRSウイルス感染症を予防する抗体医薬クレスロビマブの後期試験を行っている。同試験は2024年に完了する予定だ。

 

バイエルン・ノルディック

デンマークに本社を置くバイエルン・ノルディックは昨年4月、60歳以上を対象としたRSウイルスワクチンの後期臨床試験を開始した。試験結果は今年半ばまでに出る予定だ。

 

(Raghav Mahobe/Nandhini Srinivasan/Mariam Sunny/Khushi Mandowara/Bhanvi Satija、編集:Devika Syamnath/Sriraj Kalluvila/Shounak Dasgupta/Maju Samuel、翻訳:AnswersNews)

 

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