製薬業界 きょうのニュースまとめ読み（2023年3月8日）

「マンジャロ」など14新薬、15日に薬価収載

中央社会保険医療協議会（中医協）総会は3月8日、日本イーライリリーの糖尿病治療薬「マンジャロ皮下注」（チルゼパチド）など14新薬の薬価収載を了承した。収載は15日付。マンジャロはピーク時に367億円の販売を見込む。新型コロナウイルス感染症治療薬「パキロビッドパック」（ニルマトレルビル/リトナビル）と「ゾコーバ錠」（エンシトレルビル フマル酸）も収載され、一般流通に移行する。ピーク時の販売予測は、パキロビッドが281億円、ゾコーバが192億円。くわしくはトピックス。

「タグリッソ」6月に薬価引き下げ…市場拡大再算定の特例で

中医協総会は3月8日、アストラゼネカの抗がん剤「タグリッソ錠」（オシメルチニブメシル酸塩）について、市場拡大再算定の特例の要件に該当するとして6月1日付で薬価を引き下げることを了承した。現在の薬価から10.5%引き下げ、40mg1錠9670.00円、80mg錠1万8540.20円とする。NDBデータをもとに検討した結果、「年間販売額1000億円超かつ基準年間販売額の1.5倍超」にあたると判断した。

「エムガルディ」など7成分、費用対効果で薬価引き下げ

中医協総会は3月8日、片頭痛治療薬「エムガルディ皮下注」など7成分の薬価を、費用対効果評価の結果に基づいて引き下げることを了承した。6月1日付で引き下げられるのは、▽肺MAC症治療薬「アリケイス吸入液」（引き下げ率9.4%）▽片頭痛治療薬「エムガルディ皮下注」（5.0%）▽同「アジョビ皮下注」（5.0%）▽同「アイモビーグ皮下注」（5.0%）▽短腸症候群治療薬「レベスティブ皮下注用」（7.1%）▽新型コロナウイルス感染症治療薬「ベクルリー」（2.1%）▽抗がん剤「パドセブ点滴静注用」（8.2%）――。抗がん剤「ポライビー点滴静注用」と同「ダラキューロ配合皮下注」は薬価を据え置く。

日医工、第三者割当増資が完了…29日に上場廃止へ

経営再建中の日医工は3月8日、投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズとメディパルホールディングスが出資する新会社ジェイ・エス・ディーを割当先とする第三者割当増資の払込みが同日、完了したと発表した。日医工はジェイ・エス・ディーの子会社となり、今月29日に上場廃止となる予定。20年以上にわたって社長を務めてきた田村友一氏は退任し、前サンド日本法人社長の岩本紳吾氏が社長に就任した。

9価HPVワクチン「シルガード9」2回接種が承認

MSDは3月8日、9価HPVワクチン「シルガード9」について、9歳以上15歳未満の女性に対する2回接種の用法・用量が承認されたと発表した。同ワクチンは2020年7月、9歳以上の女性を対象に計3回接種する用法・用量で承認。国内外の臨床試験で2回接種の免疫原性と安全性が良好であることが確認され、今回の用法・用量の追加につながった。

そーせいG、東証プライムに市場変更

そーせいグループは3月8日、上場市場を現在の東証グロースから東証プライムに変更すると発表した。変更日は今月15日。

武田テバ、アラミストAGを6月発売へ

武田テバファーマは3月7日、2021年8月に承認を取得したアレルギー性鼻炎治療薬「フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液『武田テバ』」について、先発医薬品「アラミスト点鼻液」の製造販売元であるグラクソ・スミスクラインから許諾を受けたオーソライズド・ジェネリック（AG）として6月に発売すると発表した。AGは、原薬、添加物、製造方法、製造工場、デバイス、効能・効果がすべて先発品と同一。アラミストの後発品は、今年2月に日東メディック、高田製薬、キョーリンリメディオ、東和薬品の4社が承認を取得している。