国内主要製薬企業の2022年12月期決算のハイライトをまとめました。ビジュアルをまじえてお届けします。随時更新。(最終更新2月15日)
大塚HD(2月14日発表)
売上収益1兆7379億9800万円(前期比16.0%増)、営業利益1503億2300万円(2.7%減)。抗精神病薬「エビリファイ メンテナ」「レキサルティ」、V2-受容体拮抗薬「サムスカ/ジンアーク」、抗がん剤「ロンサーフ」のグローバル4製品が計26.4%増の6191億8700万円を売り上げ、大幅な増収となった一方、腎性貧血治療薬バダデュスタットに関する減損損失を415億2100万円計上したことで減益となった。23年12月期の業績予想は、売上収益1兆8000億円(3.6%増)、営業利益2100億円(39.7%増)。引き続きグローバル製品が伸びる見通し。
中外製薬(2月2日発表)
売上収益1兆2599億円(前期比26.0%増)、営業利益5333億円(26.4%増)。6期連続で過去最高の業績となり、創業以来初めて売上収益が1兆円を超えた。新型コロナウイルス向け抗体カクテル療法「ロナプリーブ」の政府納入で2037億円(163.2%増)を売り上げたほか、ロシュ向けの「ヘムライブラ」「アクテムラ」の輸出が大きく伸びた。営業利益は、抗補体(C5)抗体「ユルトミリス」の特許をめぐって米アレクシオンと結んだ和解契約に伴う収入等として907億円を計上したことで大幅な増益。23年12月期の通期業績予想は、コアベースで売上収益1兆700億円(8.4%減)、営業利益4150億円(8.1%減)。ロナプリープの政府納入の減少や後発医薬品の影響で減収減益を見込む。
協和キリン(2月7日発表)
売上収益3983億7100万円(前期比13.1%増)、コア営業利益866億9700万円(32.0%増)。国内は薬価改定や抗アレルギー点眼薬「パタノール」への後発医薬品参入で5.2%の減収となったものの、抗FGF23抗体「クリースビータ」(1271億円、48.7%増)などのグローバル製品が伸長。技術収入も増加し、2桁の増収増益となった。23年12月期の予想は、売上収益4260億円(6.9%増)、コア営業利益880億円(1.5%増)。引き続きグローバル製品と技術収入が伸びる見通し。
日本たばこ産業(2月14日発表)
医薬品事業は売上収益829億円(前期比3.1%増)、営業利益111億円(1.3%減)。前年度に導出品に関する一時金を計上した反動や、海外ロイヤリティの減少があったものの、子会社・鳥居薬品の売り上げ増で補った。鳥居の研究開発費が前期の約2倍に膨らんだことで利益は微減。23年12月期は、売上収益895億円(8.0%増)、営業利益135億円(21.1%増)を予想する。
鳥居薬品(2月10日発表)
売上高488億9600万円、営業利益55億4000万円(前期比19.0%増)。22年12月期から収益認識基準を更しており、売上高の増減は示していない。基準変更前の前期の売上高は488億9600万円だった。4月の薬価改定が影響したものの、アトピー性皮膚炎治療薬「コレクチム」(54億6900万円)やアレルゲン免疫療法薬「シダキュア」(96億800万円)などが伸びた。23年12月期は売上高509億円(4.1%増)、営業利益41億円(26.0%減)を予想。物価上昇による原価の増加や、ライセンス契約の一時金支払いによる研究開発費の増加などで大幅な減益となる見込み。
ペプチドリーム(2月14日発表)
売上収益268億5200万円(前期比185.0%増)、営業利益89億8000万円(120.8%増)。22年3月に放射性医薬品企業のPDRファーマを子会社化したことで大幅な増収増益。放射性医薬品事業の売上収益は114億4632万円だった。23年12月期は、売上収益300億円(11.7%増)、営業利益63億円(29.8%減)を見込む。