旭化成、米CDMO子会社のGMP製造能力を4倍に
旭化成メディカルは2月2日、2022年6月に買収した米CDMO子会社バイオノバ サイエンティフィックの製造プロセス開発とGMP製造能力を増強すると発表した。同社は抗体薬物複合体(ADC)や二重特異性抗体などの次世代抗体医薬品のプロセス開発に強みがあり、製薬企業からの需要増に応じる。GMP製造能力は現在の約4倍になる見込み。
決算
中外製薬(2022年12月期、2月2日発表)
売上収益1兆2599億円(前期比26.0%増)、営業利益5333億円(26.4%増)。6期連続で過去最高の業績となり、創業以来初めて売上収益が1兆円を超えた。新型コロナウイルス向け抗体カクテル療法「ロナプリーブ」の政府納入で2037億円(163.2%増)を売り上げたほか、ロシュ向けの「ヘムライブラ」「アクテムラ」の輸出が大きく伸びた。営業利益は、抗補体(C5)抗体「ユルトミリス」の特許をめぐって米アレクシオンと結んだ和解契約に伴う収入等として907億円を計上したことで大幅な増益。23年12月期の通期業績予想は、コアベースで売上収益1兆700億円(8.4%減)、営業利益4150億円(8.1%減)。ロナプリープの政府納入の減少や後発医薬品の影響で減収減益を見込む。
スイス・ロシュ(2022年12月期、2月2日発表)
売上高632億8100万スイスフラン(8兆9800億円、前期比1%増)、純利益135億3100万スイスフラン(9%減)。医薬品事業の売上高は前期比1%増の455億5100万スイスフラン。新型コロナウイルス感染症の治療にも使われる抗IL-6受容体抗体「アクテムラ」(27億100万スイスフラン、22%減)が落ち込んだものの、多発性硬化症治療薬「Ocrevus」(60億3600万スイスフラン、17%増)や血友病治療薬「ヘムライブラ」(38億2300万スイスフラン、27%増)などが拡大。22年に発売した加齢黄斑変性/糖尿病黄斑浮腫治療薬「バビースモ」の売上高は5億9100万スイスフランだった。23年12月期はコロナ関連の治療薬や検査薬の売り上げが大幅に減少すると予想しており、売上高は恒常為替レートで1桁台前半の減収となる見通し。
スイス・ノバルティス(2022年12月期、2月1日発表)
売上高505億4500万ドル(約6兆5200億円、前期比2%減)、営業利益91億9700万ドル(21%減)、純利益69億5500万ドル(71%減)。慢性心不全・高血圧症治療薬「エンレスト」(46億4400万ドル、31%増)や多発性硬化症治療薬「ケシンプタ」(10億9200万ドル、194%増)などが好調で、新薬を中心とするイノベーティブ・メディスン事業の売上高は為替変動の影響を除いて前期比4%増の413億ドルだった。後発医薬品子会社サンドの売上高は92億ドル。前期にスイス・ロシュ株の売却益を得た反動で利益は大幅に減少した。23年12月期は恒常為替レートで1桁台前半~半ばの増収を予想。下期にはサンドのスピンオフを行う予定。
英グラクソ・スミスクライン(2022年12月期、2月1日発表)
売上高293億2400万ポンド(約4兆6700億円、前期比19%増)、営業利益64億3300万ポンド(48%増)、純利益156億2100万ポンド(前期比約3倍)。医薬品事業の売上高は112億6900万ポンド(37%増)で、新型コロナウイルスに対する中和抗体「ゼビュディ」は前期比約2.5倍の23億900万ポンドを売り上げた。抗HIV薬の売上高は57億4900万ポンド(20%増)。23年12月期は恒常為替レートで6~8%の増収を見込む。新型コロナ関連の製品の影響は含まない。