「千年カルテ」本人通知行わず医療情報取得…9万5000人分
内閣府健康・医療戦略推進事務局は9月20日、ライフデータイニシアティブ(LDI)とNTTデータが共同で運営する医療情報データベース「千年カルテ」について、次世代医療基盤法が定める患者本人への通知を行わずに提供された医療情報が約9万5000人分含まれていたことが判明したと発表した。内閣府などは、両者に経緯や原因、再発防止策などの報告を求めている。両者の発表によると、NTTデータのプログラムに不具合があり、本人通知を完了していない患者の医療情報が混入したという。第三者に提供される情報は匿名加工されており、個人情報は含まれない。両者は新たな医療情報の取得と第三者への提供を休止している。
大塚、ループス腎炎治療薬「LUPKYNIS」が欧州で承認
大塚製薬は9月20日、成人の活動性ループス腎炎治療薬「LUPKYNIS」(一般名・ボクロスポリン)が欧州で承認されたと発表した。低用量コルチコステロイド、ボクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチルの3剤併用療法を検証した臨床第3相(P3)試験では、低用量コルチコステロイド単独投与より優れた有効性が確認された。同薬はカナダのオーリニア・ファーマシューティカルズが開発した免疫抑制剤。大塚は2020年12月に日本と欧州での独占的開発販売権を獲得した。米国では昨年承認されている。
ユーシービー 抗てんかん薬brivaracetam、P3試験で主要評価項目達成…来年申請へ
ユーシービージャパンは9月20日、成人のてんかんを対象に開発中のbrivaracetamについて、日本を含むアジアで行ったP3試験で主要評価項目を達成したと発表した。試験は既存治療で部分発作のコントロールが不十分な16~80歳の患者を対象に実施。brivaracetamを上乗せした場合、プラセボに比べて部分発作の回数が有意に減少した。ユーシービージャパンは同試験の結果に基づいて2023年に日本で申請する予定。
ニプロファーマ、福島県白河市に経口剤工場新設
ニプロは9月16日、医薬品製造子会社のニプロファーマが福島県白河市に経口剤の製造工場を新設すると発表した。今後の需要増への対応が目的で、約130億円を投じて約12億錠(総実装時は最大24億錠)の生産能力を備えた低階層の工場を建設する。2025年7月の稼働開始を予定しており、新規に約100人を雇用する。