2022年6月に米FDA(食品医薬品局)が承認した主な新薬と適応拡大をまとめました。
【新薬】核酸医薬「Amvuttra」
「Amvuttra」米アルナイラム
「Amvuttra」(一般・vutrisiran)は、トランスサイレチン型家族性(hATTR)アミロイドポリニューロパチー治療薬。3カ月ごとに皮下注射で投与するsiRNA核酸医薬です。特定のmRNAを分解し、TTRタンパク質の産生を阻害するよう設計されています。承認の根拠となった臨床第3相(P3)試験では、プラセボと比べて神経学的障害の減少やQOLの向上が確認されました。日本や欧州でも申請中です。
【適応拡大】「Olumiant」の円形脱毛症、肺炎球菌ワクチン「Vaxneuvance」の小児適応など
「Dupixent」仏サノフィ
抗IL-4/13受容体抗体「Dupixent」(dupilumab)は、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の適応で、生後6カ月~5歳の小児に対象を拡大しました。同薬は2017年に成人のアトピー性皮膚炎の適応で承認。同適応では、19年に思春期の患者、20年に6~11歳の小児と対象を広げてきました。欧州でも生後6カ月~5歳の小児への適応拡大を申請中。日本では成人を対象に承認されており、小児対象のP3試験を実施中です。
「Olumiant」米イーライリリー
JAK阻害薬「Olumiant」(baricitinib)は、重症の円形脱毛症に適応拡大。同疾患に対する全身療法は米国初となります。臨床試験では、Olumiantを1日1回投与した患者の22~35%で36週時に頭皮の脱毛範囲が投与前の2割未満となった(プラセボは5%)ほか、眉毛とまつげの脱毛が改善しました。日本でも今年6月に承認を取得。欧州でも近く承認される見通しです。
「Imcivree」米リズム・ファーマシューティカルズ
メラノコルチン4受容体アゴニスト「Imcivree」(setmelanotide)は、新たに「バルデ―・ビードル症候群(BBS)に伴う単一遺伝子異常による肥満と症候性肥満」の治療に使用できるようになりました。BBSは米国で約1500~2500人が罹患するまれな遺伝性疾患です。同薬は2020年にPOMC遺伝子またはPCSK1遺伝子、LEPR遺伝子の欠損による肥満を対象に承認。欧州でも承認されており、BBSへの適応拡大も申請中です。
「Skyrizi」米アッヴィ
抗IL-23p19抗体「Skyrizi」(risankizumab)は、中等症から重症の活動性クローン病に適応拡大。導入期に使用する静注製剤もあわせて承認されました。2つの寛解導入療法試験と1つの維持療法試験では、臨床的寛解と内視鏡的改善を確認。日本でも申請を済ませています。
「Tafinlar」+「Mekinist」スイス・ノバルティス
BRAF阻害薬「Tafinlar」(dabrafenib)とMEK阻害薬「Mekinist」(trametinib)の併用療法は、新たに「BRAF V600E遺伝子変異陽性の切除不能・転移性固形がん」の適応で迅速承認を取得。前治療後に病勢が進行し、ほかに治療選択肢のない6歳以上の患者が対象で、がん種を問わず使用できます。臨床試験での全奏効率は最大80%でした。日本ではP2試験を実施中です。
「Vaxneuvance」米メルク
15価肺炎球菌結合型ワクチン「Vaxneuvance」は、生後6週~17歳の小児に対象を拡大しました。臨床試験では、既承認の13価ワクチンに対する免疫応答の非劣性を確認。日本では、高齢者や感染リスクの高い成人を対象に昨年10月に申請を行いました。