日本新薬、未承認国でも「ビルテプソ」供給…英クリニジェンと提携
日本新薬は11月29日、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬「ビルテプソ」(一般名・ビルトラルセン)について、未承認国での供給プログラムを開始したと発表した。現在、承認を取得している日本と米国以外の地域で、同社の基準を満たす患者に同薬を提供する。プログラムの実施では英クリニジェンと独占契約を結んでおり、各国の薬事規制の確認や流通、アクセス管理など、プログラム全体の管理はクリニジェンが行う。
富士製薬 天然型黄体ホルモン製剤「エフメノ」を発売
富士製薬工業は11月29日、天然型黄体ホルモン製剤「エフメノカプセル」(プロゲステロン)を発売したと発表した。適応は「更年期障害および卵巣欠落症状に対する卵胞ホルモン剤投与時の子宮内膜増殖症の発症抑制」。同適応に対するホルモン製剤は日本初。同薬はモナコのBesinsヘルスケアが開発した製剤で、微粒子化することで経口でも吸収しやすくしている。日本では「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の評価に基づき、2010年に厚生労働省が開発企業を公募し、これに応じた富士製薬工業が開発を行ってきた。薬価は100mg1カプセル229.70円。ピーク時に12億円の売り上げを見込む。
レンビマ+キイトルーダの併用療法、欧州で子宮内膜がんと腎細胞がんの承認取得
エーザイは11月29日、抗がん剤「レンビマ」(レンバチニブ)と米メルクの免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」(ペムブロリズマブ)の併用療法について、欧州で2つの適応で承認されたと発表した。承認されたのは、「成人の進行性腎細胞がん一次治療」と「プラチナ製剤を含む前治療中またはその後に増悪した、根治的手術または放射線療法に不適応な成人の進行・再発性子宮内膜がん」。両適応では米国でも今年承認されており、日本では申請中。
塩野義 新型コロナ検査キットの販売でタウンズと提携
塩野義製薬は11月29日、タウンズ(静岡県伊豆の国市)と新型コロナウイルス抗原検査キットの共同販売契約を結んだと発表した。契約に基づき、タウンズが販売する新型コロナウイルスの抗原検査キットと、同社が申請中の新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスを同時に検出する抗原検査キットについて、国内で共同販売を行う。
アスタチンによるα線治療、阪大で医師主導治験開始
創薬ベンチャーのアルファフュージョン(大阪市北区)は11月29日、同社が実用化を目指すアスタチン化ナトリウム(開発コード・TAH-1005)について、大阪大が難治性甲状腺がんを対象とした医師主導第1相(P1)治験を開始すると発表した。TAH-1005はβ線治療よりも効果の高いα線を体内から照射する新規のがん治療薬。静脈内に投与すると、全身の再発・転移巣に集積し、α線を放出してがん細胞を死滅させる。医師主導治験では、放射性ヨウ素(131I)などの標準治療で治療効果が得られない患者を最大16人を登録し、安全性、薬物動態、有効性を確認する。