テロメライシン、国内の2試験中止…コロナで症例登録難航
オンコリスバイオファーマは9月29日、開発中のがんウイルス療法「テロメライシン」(開発コード・OBP-301、一般名・suratadenoturev)について、導出先の中外製薬が国内で計画・実施している4つの臨床試験のうち2本が中止されることになったと発表した。中止となるのは、食道がんを対象に化学放射線療法との併用療法を検討する臨床第1相(P1)試験と、頭頸部がんを対象にアテゾリズマブ、化学放射線療法との併用療法を評価するP1試験。ウイルス製剤の製造開発の状況や、新型コロナウイルスの感染拡大で症例の登録が難航していることなどを踏まえ、中外が中止を判断したという。今後は、食道がんに対する放射線療法併用のP2試験など、残る試験に注力する。オンコリスが自ら海外で行っている臨床試験に影響はない。
富士製薬、MRに「更年期領域エキスパート」制度導入
富士製薬工業は9月28日、MRの社内認定資格として「更年期領域エキスパート」制度を導入したと発表した。全MRを対象に更年期障害に関する試験を行い、合格したMRを認定する。8月に行った1回目の試験では19人を認定しており、来年度以降も毎年試験を行う。同社は更年期障害の治療薬として「ル・エストロジェル」を販売しているほか、今月27日には天然型黄体ホルモン製剤「エフメノ」の承認を取得。更年期障害について幅広い知識を持ったMRを育成し、情報提供の充実につなげる。
塩野義 超長時間作用型抗HIV薬、英ヴィーブに導出
塩野義製薬は9月28日、投与間隔が3カ月以上の超長時間作用型抗HIV薬となる可能性があるHIVインテグラーゼ阻害薬「S-365598」を英ヴィーブ・ヘルスケアに導出する契約を結んだと発表した。契約に基づき、塩野義は一時金2000万ポンドと開発の進展に応じたマイルストン1500万ポンドを受け取る。同薬は現在、前臨床試験が行われており、2023年までに臨床試験を始める予定。
EME、JCRと共同研究開発契約…VHH抗体の創出で
イプシロン・モレキュラー・エンジニアリング(EME、さいたま市)は9月28日、JCRファーマと共同研究開発契約を結んだと発表した。EME独自のヒト化VHH抗体スクリーニング技術を活用し、VHH抗体による新薬の創出を目指す。契約に基づきEMEは、JCRファーマが指定する創薬ターゲットを対象に、ヒト化VHH抗体を同定。JCRファーマから一時金を受け取るとともに、研究開発の進捗に応じたマイルストンを受領する。