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ニュース解説

新型コロナワクチン、ブースターショット(追加接種)をめぐる各国の対応

更新日

ロイター通信

[ロイター]米ファイザーと独ビオンテックは、新型コロナウイルスワクチンの2回目接種から6カ月経過すると感染のリスクが高まるとのデータがイスラエルから公表されたことを受け、欧米の規制当局に追加接種の許可を求める方針だ。

 

ただ、研究者の間では、3回目の接種が必要であるというコンセンサスはまだ得られていない。

 

アラブ首長国連邦(UAE)とバーレーンでは先月、中国・シノファーム製ワクチンの接種を受けた人に対し、ブースターショットとしてファイザー製ワクチンの提供を開始。一方、WHO(世界保健機関)は7月9日、追加接種の必要性を判断するにはさらなるデータの収集が必要との見解を表明した。

 

この問題に対して、各国・地域がそのような選択肢を検討しているか、以下にまとめた。

 

米国

FDA(食品医薬品局)とCDC(疾患管理センター)は7月8日、現時点では2回の接種を完了した人に追加接種は必要ないとの声明を発表した。

 

EU

EMA(欧州医薬品庁)は7月9日、3回目の接種が必要かどうかを判断するのは時期尚早とした上で、現時点では確立されたレジメンで十分であることを確信しているとの見解を示した。一方、EUが最近、ファイザー/ビオンテック、米モデルナと結んだ供給契約には、追加接種分を購入する可能性が含まれている。

 

英国

英国では、ワクチンについて政府に助言する専門家らが、9月にも高齢者らに対する3回目の接種が必要になる可能性を指摘した。これを受け、英国政府は追加接種プログラムの検討を始めている。追加接種プログラムの実施はまだ最終決定されていないが、専門家らは念の為、準備を進めていくべきだと助言している。

 

英国は、ファイザー/ビオンテックのワクチンを追加で6000万回分購入し、あわせて1億回分を調達すると発表した。

 

ブラジル

ブラジルでは、公的機関であるブタンタン研究所の責任者が、現時点で使用可能なワクチンによる保護を強化するため、毎年接種の準備を行うべきだとの見解を表明している。

 

フィンランド

フィンランドは、3回目の接種を推奨するかどうかについて、8月に結論を出す予定だ。

 

フランス

仏保健省の関係者によると、政府は秋以降に3回目の接種を推奨するかどうか検討している。当局はすでにロジスティクスを整備し、地域の保健機関と連携して準備を進めているという。ただし、実施の配備には最高保健諮問機関の承認が必要で、同機関はまだ追加接種についての見解を示していない。

 

インドネシア/タイ

インドネシアとタイは、中国・シノバック製ワクチンを接種した医療従事者へのブースターショットを検討している。

 

イスラエル

イスラエル政府は7月11日、免疫が低い成人を対象に3回目の接種を行うと明らかにした。一般の人への追加接種は検討中という。

 

ロシア

ロシアの首都モスクワの診療所では、ワクチン接種から半年以上たった人を対象に、今月初めからブースターショットの提供を行っている。これにより、ロシアは追加接種を始めた最初の国の1つとなった。

 

シンガポール

シンガポールは5月、必要に応じて今年末から来年初めにかけて追加接種を行う計画を立てていることを明らかにした。

 

韓国

韓国は6月、全人口5200万人を対象に、来年のブースターショットに使用するmRNAワクチンを追加で確保する予定だと発表した。

 

スイス

スイス保健省は、来年必要になる可能性がある追加接種分も含め、4300万回分のワクチンを発注したと発表した。スイスは感染率が非常に低いとされているが、当局の規制緩和によって感染者数は増加傾向にある。

 

企業の対応は

モデルナは、追加接種用ワクチンとして現行の半量となる50マイクログラム接種の可能性を検討している。同社はスペインのロヴィ、スイスのロンザとの契約により、欧州で50マイクログラム接種製品の生産を年間最大6億回分まで増やす。低用量ワクチンの生産は年内にも始まるという。

 

(翻訳:AnswersNews)

 

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