1. Answers>
  2. AnswersNews>
  3. キャリア>
  4. 転職「35歳の壁」は本当にあるのか|転職エージェントのキャリア談義
キャリア

転職「35歳の壁」は本当にあるのか|転職エージェントのキャリア談義

更新日

前田雄樹

製薬業界で働く人のキャリアや働き方に関する話題のあれこれを、製薬業界専門転職エージェント「Answers」「MRBiZ」(運営=株式会社クイック)のコンサルタントとAnswersNews編集長が語らいます。

 

「35歳の壁」は存在する

前田雄樹(AnswersNews編集長):35歳を超えると、20代や30代前半に比べて転職の難易度がぐっと上がるイメージがあります。「35歳限界説」「35歳の壁」などと言われますが、こうした壁は製薬業界にも存在するのでしょうか。

 

細川剛(株式会社クイック ヘルスケアチーム コンサルタント):あると思います。具体的に言うと、業界や職種を変える思い切った転職は30歳、同業同職種の転職は35歳が1つの目安になります。

 

前田:同業同職種で35歳が1つのラインとなるのはなぜですか?

 

細川:35歳を超えると、求職者に対する企業の目線がぐっと上がります。企業側としては、35歳を超えてくると管理職を見据えた採用になりますし、入社後の教育やフォローにそこまで手を掛けられない。その職種での豊富な経験・スキルやリーダーの経験などがないと、採用は難しいですとなるケースが多いと思います。

 

前田:職種による違いはありますか?

 

細川:もちろん、職種の希少性や企業の採用ニーズによって違いはあります。CRAや研究、品質保証、薬事といった職種は多くの企業が採用したがっていますので、35歳を超えても転職は十分可能です。一方で、品質管理など職種は若手重視の傾向が強く、35歳以上となるとマネジメントができることが求められるようになるので、転職のハードルは上がります。

 

MRは領域経験によって異なる

前田:MRはどうですか?

 

細川:MRの場合、ポイントになるのはやはり領域の経験です。がん、自己免疫疾患、希少疾患といった領域の経験があるMRは市場価値も高く、35歳を超えても転職はできます。一方で、プライマリーの経験しかないような人は、転職活動をする中で「領域経験がないのはこんなに厳しいのか」「領域を変える転職は30代前半まででないと難しいんだな」といったギャップに直面するケースが多いです。

 

前田:CSOへの転職も35歳を超えると難しくなりますか?

 

細川:CSOなら、35歳を超えて生活習慣病領域の経験しかない人もストライクゾーンに入ります。CSOが扱う案件は、スペシャリティ領域が増えてきているものの、まだまだプライマリー領域が中心です。メーカーがプライマリー領域に割いていた人員を早期退職で減らし、そこをCSOで補っているという構図になっていますので。ですから、35歳を超えていても、メーカーでプライマリー領域を担当していた人は歓迎される傾向にあります。

MRの転職先としては、医療機器メーカーやヘルステック企業の営業職も考えられますが、こちらは35歳を超えると応募できる求人が少なくなります。確かに親和性はありますが、やることとしてはかなり違う部分もあるので、MR経験者でも若手が優遇されやすい傾向にあります。

 

前田:CROのCRAがメーカーへの転職を目指す場合、年齢がハードルになることはありますか?

 

細川:35歳を超えると転職がすごく難しくなるということはありませんが、どちらかというと若い人の方が採用されやすいと思います。メーカーとCROは製造業とサービス業という違いがあり、仕事のやり方も違う部分があります。新卒から35歳までずっとCROにいた人だと、発注者側のメーカーの考えがなかなか理解できないのではないかと懸念されることがあります。

 

企業の求める経験・スキルを理解することが重要

前田:製薬業界の中で職種を変えるような転職はどうでしょうか?

 

細川:ラインとしては30歳だと思います。ただ、研究職や開発職からMSLに転職するようなケースは例外で、30代ならチャンスがあります。確かに異職種への転職ではありますが、サイエンスのレベルが物を言う職種なので、研究開発で培った豊富な経験や知識は武器になります。

 

前田:35歳以上の人が転職を成功させる秘訣は?

 

細川:企業がその採用ポジションにどんな経験やスキルを求めているのか、きちんと理解することがまず重要です。自身の経験やスキルの棚卸しし、企業のニーズに合ったアピール内容を用意することが大切です。求人情報だけで企業のニーズを把握するのは難しいので、転職エージェントを活用するのも有効な手段だと思います。

あとは英語ですね。この業界は外資系企業の求人が多く、日本企業もグローバル展開を進めていますので、35歳を超えて英語力がない人は厳しい。MR以外の職種では、英語ができないと転職の選択肢が狭まり、どこかでキャリアが頭打ちになってしまいます。

いずれにせよ、異業種異職種への転職は30歳、同業界同職種の転職なら35歳という節目を意識し、そこから逆算してキャリアを考えていくことが大切です。

 

細川剛●株式会社クイック ヘルスケアチーム コンサルタント。約10年にわたり、製薬業界を中心とするヘルスケア分野で採用と転職をサポート。キャリアチェンジを含め、幅広い職種で転職を支援した経験を持ち、特にMRの転職支援を得意としている。

 

ご自身のキャリアに不安をお持ちの方へ。
製薬業界専任のコンサルタントが、あなたの悩みや不安を元にキャリアについてアドバイスさせていただきます。
まずはお気軽にご相談ください。

> コンサルタントに相談する

※状況によりご相談に乗れない場合がございます。予めご了承ください。

あわせて読みたい

メールでニュースを受け取る

  • 新着記事が届く
  • 業界ニュースがコンパクトにわかる

オススメの記事

人気記事

【無料】製薬業界専門転職サポート

【無料】製薬業界専門転職サポート

製薬業界専任のコンサルタントが、悩みや不安を元にキャリアについてアドバイスさせていただきます。
まずはお気軽にお申し込みください。

詳しくはこちら