日医工 武田テバの一部後発品事業を買収
日医工は7月30日、武田テバファーマの後発医薬品事業の一部を買収すると発表した。買収するのは、後発品486品目の製造販売事業と製造受託事業で、2019年の売上高は319億5400万円。武田テバが指定する後発品24成分65品目とオーソライズド・ジェネリック、長期収載品は買収対象に含まない。日医工は買収を通じ、武田テバの高山工場(岐阜県高山市)とその従業員を獲得し、内製化と品質管理体制の強化を進める。買収額は非開示で、来年2月1日の買収完了を予定している。
大日本住友、糖尿病治療薬イメグリミンを申請
大日本住友製薬は7月30日、2型糖尿病治療薬イメグリミンを申請したと発表した。仏ポクセルが創製した同薬は、ミトコンドリアの機能を改善する新規作用機序を持っており、インスリン分泌不全とインスリン抵抗性の両方を改善すると期待される。海外では、戦略提携先の英ロイバント・サイエンシズの子会社メタバント・サイエンシズが、米国と欧州で臨床第3相(P3)試験を計画している。
「レンビマ」胸腺がんへの適応拡大申請
エーザイは7月30日、MSDと共同開発している抗がん剤「レンビマ」(一般名・レンバチニブ)について、切除不能な胸腺がんへの適応拡大を申請したと発表した。胸腺がんは国内患者数約140~200人の希少がん。申請のもととなった医師主導P2試験では、プラチナ製剤による治療歴のある患者に対する有効性が確認された。
日医工「アビガン」製造受託をとりやめ
日医工は7月30日、富士フイルム富山化学が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を対象に開発している抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」(ファビピラビル)の受託製造をとりやめると発表した。富士フイルムの増産体制を考慮し、協議の上で決定した。日医工が受託製造をとりやめても、日本政府が目標とする備蓄量を満たすための供給に影響はないという。日医工は今後、COVID-19対策として、治療薬の候補に挙がっている「フサン」「デカドロン」の安定供給に力を入れる。
大塚 片頭痛予防薬フレマネズマブを国内申請
大塚製薬は7月29日、片頭痛予防薬フレマネズマブを申請したと発表した。同薬はイスラエル・テバが創製した抗CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)抗体で、大塚は17年に日本での独占開発・販売権を獲得。米欧では「Ajovy」の製品名で販売されている。抗CGRP抗体としては、日本イーライリリーも今年1月にgalcanezumabを片頭痛の予防適応で申請した。
決算
協和キリン(2020年1~6月期、7月30日発表)
売上高1578億1900万円(前年同期比4.2%増)、コア営業利益344億7900万円(7.2%増)。海外で「クリースビータ」が拡大し増収増益となった。国内は、薬価引き下げとバイオシミラーの影響を受けた腎性貧血治療薬「ネスプ」が91.4%の売り上げ減で、全体でも9.2%の減収となった。2020年12月期通期の予想は売上高3130億円(従来予想比140億円減)、コア営業利益600億円(50億円減)に下方修正。ネスプのオーソライズド・ジェネリックが計画を下回る水準で推移しているほか、新型コロナウイルス感染症拡大が長期化することも織り込んだ。