大日本住友 舌下フィルム製剤のパーキンソン病薬が米国で承認
大日本住友製薬は5月22日、舌下投与フィルム製剤のパーキンソン病治療薬「KYNMOBI」(一般名・アポモルヒネ塩酸塩水和物)が米国で承認されたと発表した。適応は「パーキンソン病に伴うオフ症状の改善」で、米子会社のサノビオンが今年9月に発売する予定。オフ症状が出た時に簡単に服用でき、速やかに症状を改善する。米FDA(食品医薬品局)は昨年1月、追加の情報と解析を求めて同薬の承認を見送ったが、大日本住友は同年11月に再申請し、今回の承認にこぎつけた。
KMバイオ、新型コロナワクチンの開発を開始
KMバイオロジクスは5月22日、新型コロナウイルス感染症に対する不活化ワクチンの開発を始めると発表した。2020年度中に非臨床試験を終え、その結果を踏まえて臨床試験を開始する計画。KMバイオが保有する新型インフルエンザワクチン用製造施設を、今回のワクチン生産に活用できるかどうかについても検討する。
バイエル、TRK阻害薬ラロトレクチニブを申請
独バイエルは5月22日、TRK阻害薬ラロトレクチニブを日本で申請したと発表した。対象はNTRK融合遺伝子陽性の固形がん。欧米などでは「Vitrakvi」の製品名で承認されている。承認されれば、国内では中外製薬の「ロズリートレク」(エヌトレクチニブ)に続く2剤目のTRK阻害薬となる。
武田、腎細胞がん治療薬「カボメティクス」を発売
武田薬品工業は5月22日、腎細胞がん治療薬「カボメティクス」(カボザンチニブリンゴ酸塩)を発売したと発表した。薬価は20mg1錠8007.60円、60mg1錠2万2333.00円で、ピーク時に127億円の売り上げを予測。今年1月には、がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞がんへの適応拡大を申請している。
第一三共、5つ目のADCが臨床入り
第一三共は5月22日、抗GPR20抗体薬物複合体(ADC)「DS-6157」について、進行性の消化管間質腫瘍(GIST)を対象に臨床第1相(P1)試験を始めたと発表した。試験は米Sarah Cannon Research Instituteとの提携の下で実施。GPR20はGISTだけで過剰発現するタンパク質で、これを標的とするがん治療薬で承認されたものはまだない。第一三共のADCで臨床試験段階に入ったのは、DS-6157で5つ目となる。
武田「キャブピリン」発売
武田薬品工業は5月22日、消化性潰瘍薬ボノプラザンフマル酸塩(製品名・タケキャブ)と低用量アスピリンの配合剤「キャブピリン」を発売したと発表した。タケキャブと同様に、大塚製薬と共同で情報提供活動を行う。薬価は1錠130.30円で、ピーク時に121億円の売り上げを見込む。
武田テバ、水口工場をキャタレント・ジャパンに譲渡
武田テバファーマは5月21日、子会社・武田テバ薬品の水口工場(滋賀県甲賀市)をCMOのキャタレント・ジャパンに売却すると発表した。売却と引き渡しは7月1日を予定。同工場は包装工場として稼働してきたが、イズラエル・テバによるグローバルでの生産拠点の集約に伴い、固形剤を生産してきた甲賀工場(同市)とともに閉鎖が決まっていた。
決算
科研製薬(2020年3月期、5月22日発表)
売上高892億3200万円(前期比5.2%減)、営業利益265億1200万円(7.8%増)。関節機能改善剤「アルツ」や高脂血症治療薬「リピディル」の販売減で減収となったが、研究開発費が大幅に減ったことで利益は増加した。21年3月期は、売上高829億円(7.1%減)、営業利益208億円(21.5%減)を見込む。
明治HD(2020年3月期、5月22日発表)
医薬品セグメントは売上高2043億円(前期比2.9%増)、営業利益159億円(12.2%増)。KMバイオロジクスが通期で寄与したことなどで増収増益となった。21年3月期は売上高2123億円(3.9%増)、営業利益180億円(12.6%増)を見込む。
【AnswersNews編集部が製薬企業をレポート】