アステラス、CAR細胞療法開発の米ベンチャーを買収
アステラス製薬は12月27日、CAR細胞療法を開発する米スタートアップのザイフォス・バイオサイエンシズ(カリフォルニア州サウスサンフランシスコ)を買収したと発表した。買収手続き完了時に1億2000万ドルを支払っており、開発マイルストンも合わせると買収額は最大で6億6500万ドルとなる。
ザイフォスは、受容体を発現させた免疫細胞と、がん抗原を認識する抗体をリガンドタンパクと融合させた抗体-リガンド融合タンパクを投与して治療する「ACCEL技術」を持つ。リードプログラムは2021年に臨床試験を開始する予定。アステラスは子会社ユニバーサルセルが持つユニバーサルドナー細胞技術と組み合わせるなどして、がん免疫療法の研究開発を加速させる。
ナノキャリア シスプラチンミセル、膵がんでの申請見送り
ナノキャリアは12月27日、抗がん剤シスプラチンのミセル化ナノ粒子製剤「NC-6004」について、膵がんでの承認申請を見送ると発表した。ゲムシタビンとの併用で臨床第3相(P3)試験を行ったが、治療の変化によってゲムシタビンが第一選択薬でなくなったことから、膵がんでのNC-6004の有用性を示すには追加の臨床試験が必要と判断。同試験に基づく申請は行わないこととした。
NC-6004は頭頸部がんを対象に免疫チェックポイント阻害薬と併用するP2試験を行っており、今後は免疫チェックポイント阻害薬との併用に力を入れる。