アステラス 遺伝子治療薬の米オーデンテスを3300億円で買収
アステラス製薬は12月3日、遺伝子治療薬の開発を手掛ける米オーデンテス・セラピューティクス(カリフォルニア州)を買収すると発表した。買収総額は約30億ドル(約3270億円)。同社は神経筋疾患を対象にアデノ随伴ウイルス(AAV)を使った遺伝子治療薬を開発しており、リードプログラムの「AT132」はX染色体連鎖性ミオチュブラー・ミオパチーを対象に臨床第1/2相(P1/2)試験を実施中。買収を通じて、パイプラインとともに遺伝子治療の技術と製造能力を獲得する。
アステラスは株式公開買い付け(TOB)でオーデンテスの発行済み全株式を取得する。買い付け価格は1株60ドルで、2日の終値に110%のプレミアムを加えた。オーデンテスはTOBへの応募推奨を決議しており、買収は来年1~3月に完了する予定。
アステラス、エンホルツマブベドチンとキイトルーダの併用で米メルクと提携
アステラス製薬は12月3日、米シアトルジェネティクスと共同開発している抗体薬物複合体(ADC)エンホルツマブ ベドチンについて、免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」(一般名・ペムブロリズマブ)との併用療法の開発で米メルクと提携すると発表した。対象は未治療の転移性尿路上皮がん。3社共同でグローバル申請に向けた臨床第3相(P3)を来年前半に始める。試験には日本も参加する予定。
ゼリア「アシノン」を自主回収、一部ロットから発がん性物質
ゼリア新薬工業は12月3日、H2受容体拮抗薬「アシノン錠75mg」(ニザチジン)の一部ロットから発がん性物質N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)が管理水準を超えて検出されたとして、2017年2月~18年12月に出荷された14ロットを自主回収(クラスI)すると発表した。75mg錠のほかのロットと150mg錠には問題なく、一般用医薬品(アシノンZ錠/同胃腸内服液)にも原薬レベルで問題ないことを確認しているという。
H2受容体拮抗薬に発がん性物質が混入した問題をめぐっては、ラニチジンを扱う11社すべてがクラスIでの自主回収を実施。類似化合物であるニザチジンは、大原薬品工業の後発医薬品も自主回収を行っている。
大日本住友 オープンイノベーションでアクセラレーターと提携
ベンチャーキャピタルでアクセラレーターのPlug and Play Japan(東京都渋谷区)は12月3日、大日本住友製薬とヘルステック・ヘルスケア分野での「エコシステム・パートナーシップ」を結んだと発表した。大日本住友はPlug and Playのアクセラレーションプログラムに参加し、スタートアップ企業との協業機会を模索。創薬だけでなく、予防やケアにも着目して新たなソリューションの提供を目指す。
塩野義 ADHD薬「ビバンセ」発売、武田と販促提携
塩野義製薬は12月3日、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬「ビバンセ」(リスデキサンフェタミンメシル酸塩)を発売したと発表した。対象は小児期のAD/HD。塩野義が旧シャイアーから導入したもので、同社を買収した武田薬品工業とプロモーションで提携する。薬価は20mg1カプセル686.90円、30mg1カプセル761.10円。ピーク時に20億円の売り上げを見込む。
武田、血友病A治療薬「アドベイトキット」発売
武田薬品工業は12月3日、グループのシャイアー・ジャパンが血友病A治療薬の遺伝子組換え血液凝固第VIII因子製剤「アドベイト静注用キット」(ルリオクトコグ アルファ)を発売したと発表した。従来品のアドベイト静注用を改良し、製剤と注射用水、溶解デバイスを一体化したキット製剤。半減期延長製剤の「アディノベイト」では同様のキット製剤が販売されている。
マイランEPD、ネスプのバイオシミラーを発売
マイランEPDは12月2日、腎性貧血治療薬「ネスプ」のバイオシミラー「ダルベポエチン アルファBS注『MYL』」を発売したと発表した。マイランEPDにとって初のバイオシミラー。ネスプのバイオシミラーはキッセイ薬品工業と三和化学研究所も先月発売している。
厚労省 9日の「流改懇」中止、談合疑惑が影響か
厚生労働省は12月3日、9日に予定していた「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」の開催を中止すると発表した。医薬品卸大手4社が談合の疑いで公正取引委員会の強制調査を受けたことが影響したとみられる。次回の開催は未定。