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医療にもサブスクの波?Netflix式の支払いモデルは高額薬のスタンダードになるか|DRG海外レポート

米国に本社を置くコンサルティング企業Decision Resources Groupのアナリストが、海外の新薬開発や医薬品市場の動向を解説する「DRG海外レポート」。薬剤支出の管理強化と患者アクセスの拡大を目的として、米国で医薬品の代金の支払いにサブスクリプションを導入する動きが出てきました。サブスクは高額薬剤の支払いモデルのスタンダードになるのでしょうか。アナリストが展望します。

 

(この記事は、Decision Resources Groupのアナリストが執筆した英文記事を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです。本記事の内容および解釈については英語の原文が優先します。正確な内容については原文を参照してください。原文はこちら

 

ルイジアナ州がC型肝炎薬にサブスク導入

スペシャリティ・ドラッグの価格が上昇する中、米国の各州は厳しいコスト管理を要求される一方、患者も医薬品にアクセスするにあたってコストの壁に直面している。このことは、服薬アドヒアランスや患者の転帰にも悪影響を及ぼしている。

 

例えば、C型肝炎は出費のかさむ疾患で、それゆえ治療率は低い。ルイジアナ州にはC型肝炎ウイルスに感染しているメディケイド受給者と受刑者が3万9000人いるが、このうち昨年治療を受けたのはわずか1000人ほどにとどまる。

 

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こうした事情からルイジアナ州は、医薬品の代金の支払いに「ネットフリックスモデル」、つまりサブスクリプション(定額課金制)を導入した。目的は、医薬品支出の削減とC型肝炎治療薬の使用拡大。薬代の支払いにサブスクを導入したのは、全米でルイジアナ州が初めてだ。

 

ギリアド子会社と提携

このモデルでは、処方箋1枚ごとに費用を支払うのではなく、特定の製薬会社の薬剤に数年間、無制限にアクセスできる対価として定額の料金を支払う。ルイジアナ州はこの方式で、2020年までにC型肝炎ウイルスに感染したメディケイド受給者と受刑者を合わせて1万人を治療する予定だ。

 

ルイジアナ州は、このモデルの支出上限を3500万ドルに設定した。これは、同州が2018年にC型肝炎ウイルス感染者の治療に支出した額に相当する。州の保険局はサブスク式の支払いモデルについて、アッヴィ、Asegua Therapeutics(ギリアド・サイエンシズ子会社)、メルクから提案書の提出を受け、最終的にAseguaをパートナーに選んだ。

 

medical pills or drugs and dollar cash money

 

2019年7月1日には、ルイジアナ州とAseguaの間で5年間の契約が発効。同社はルイジアナ州に対し、「エプクルーサ」(ソホスブビルとベルパタスビルの配合剤)の後発医薬品の提供をスタートさせた。

 

ワシントン州でも導入

ワシントン州も、2030年までにC型肝炎を撲滅することを目標に、ネットフリックス式の支払いモデルを導入した。同州は啓発活動やスクリーニングを行い、C型肝炎ウイルス感染者に適切な治療を受けされるという包括的なアプローチをとっている。

 

ただ、ワシントン州の購買モデルは、サブスクという看板をそのまま掲げたものではない。C型肝炎治療にかかった総費用のうち、州の支出額に上限を定め、それに対して製薬企業が入札を行わなければならないからだ。この水準を超えれば、その後ワシントン州は非常に低い価格で医薬品を調達できるようになる。

 

このモデルでは、ワシントン州はメディケイド受給者と受刑者、そして州の健康保険がカバーする会社員に対して、C型肝炎の治療を提供することもできる。ワシントン州は約3万人に治療を受けさせられることができると期待。同州は、C型肝炎治療薬の中でも特に安いアッヴィの「マヴィレット」について、5年間の契約を交わした。

 

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製薬会社はこの支払いモデルを受け入れるか

サノフィは2019年4月、同社の「Valyou Savings program」を通じて、インスリン製剤を1カ月あたり99ドルで提供する意向を表明した。患者の収入を問わず、99ドルという固定価格で、ペン型注入器やインスリン10mLバイアルを最大10箱、毎月提供する。

 

このプログラムは、無保険者など多額の自己負担を強いられる患者のために策定された。ほかにも、多くの製薬企業(スパーク・セラピューティクス、ノバルティス、バイオマリン・ファーマシューティカルズ、ブルーバードバイオなど)が、高額な遺伝子治療薬について治療効果によって価格が変動する分割払いの導入を計画している。

 

ブルーバードバイオは、希少な遺伝性血液疾患向けの初の遺伝子置換薬「LentiGlobin」を、継続的な効果で価格が決まる5年の分割払いプランで販売する予定だ。

 

薬とミニチュアの人々

 

製薬会社にもメリット

ネットフリックスモデルは、高額な薬剤について一定の予算を立てるのに一役買い、メディカイドの支出管理を強化することで州にメリットをもたらす。さらに、高額薬剤へのアクセスを広げ、多くの人に治療を受けされることができるようになる。アクセスの改善はアドヒアランスや治癒率の向上につながり、それによって発症が抑制されたり、疾患が根絶されたりすれば、それも州にとって利益となる。

 

このモデルによって医薬品に対する需要が拡大すれば、高額な薬剤の売り上げが増え、製薬企業も利益を得ることができる。製薬企業にとっては、長期的に一定の収益が保証されるのもメリットとなる。

 

ネットフリックスモデルが成功すれば、さらに多くの州が同じようなプログラムを実施するだろう。このモデルは、医薬品へのアクセスに膨大な費用を一度に支払う必要があるため、あとに続こうとする州は、ある疾患にかかっている患者の数と、その患者に要する治療費を正確に推定しなければならない。したがって、このモデルの価格設定は州のあたりの有病率と関連付けるべきだろう。

 

(原文公開日:2019年6月19日)

 

この記事は、Decision Resources Groupのアナリストが執筆した英文記事を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです。

 

【記事に関する問い合わせ先】
ディシジョン・リソーシズ・グループ日本支店
斎藤(コマーシャルエクセレンス ディレクター)
E-mail:ssaito@teamdrg.com
Tel:03-6625-5257(代表)

 

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