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高品質の後発医薬品を手頃な価格で…中国で始まった「4+7計画」|DRG海外レポート

米国に本社を置くコンサルティング企業Decision Resources Groupのアナリストが、海外の新薬開発や医薬品市場の動向を解説する「DRG海外レポート」。今回は、中国で進む後発医薬品の調達システム改革「4+7計画」について解説します。

 

(この記事は、Decision Resources Groupのアナリストが執筆した英文記事を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです。本記事の内容および解釈については英語の原文が優先します。正確な内容については原文を参照してください。原文はこちら

 

品質管理システムの導入を意図

中国では、医療システムをめぐる規制と医療費償還の方策について、大規模な改革が進められている。狙いは、新薬の需給ギャップを埋めることにある。欧米諸国で開発される新薬の多くは、承認の壁に阻まれ、成長が続く中国市場に届いていない。

 

需要が高まっているのは、中国経済が過去数十年間で驚異的な成長を遂げ、数百万の人々が貧困から抜け出し、裕福な中産階級を形成した結果だ。中国の人々は一流の医療を求めるようになり、中国の医薬品市場は今や、米国に次ぐ世界第2位の規模を誇るまでになった。

 

この改革の大部分は、規制のプロセスを合理化し、薬剤へのアクセスと医療費の償還を改善することで、製薬会社に中国市場への参入を促すのが目的だ。2018年11月、中国の国家医療保険局(SMIA)は、医薬品集中調達試行計画(National Drug Centralized Procurement Pilot Scheme)、いわゆる「4+7計画」を正式に発表した。計画は11の大都市(4つの直轄市と7つの副省級市)で始め、後発医薬品の価格抑制と、国内で断片化している後発医薬品調達システムの統合を目指す。

 

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これは、品質管理を一元的に行うシステムを中国製薬業界に導入することを意図した予備的な計画だ。このシステムが実現していない現状では、市場に林立する企業の多くが低品質の医薬品を扱っている。

 

中国市場ではこれまで、そのような国内メーカーが成功を収め、世界の平均をはるかに上回る高い利益を確保する一方、高品質な医薬品を扱う多国籍メーカーは、中国政府から輸入許可を得るまで長い時間待たされてきた。そして、何とか輸入許可を手にしても、自社の後発医薬品を病院に納入するには国内メーカーより厳しい品質保証で折り合わなければならないことが多かった。これが価格の高止まりにつながり、誰も手を出すことができないということもしばしば起こった。

 

平均52%の値下げ

4+7計画は、価格の抑制と厳格な品質保証に加え、その土地で影響力を持つ人物と通じたメーカーが地元の病院への納入を頻繁に落札するといった不公平と汚職をなくすことも狙っている。計画では、中国政府が最低価格入札者を納入者に指定。納入者はその後1年間、市場全体の6~7割にあたる売り上げを約束されることになる。計画の対象となる11都市には、北京、上海、広州などが含まれ、中国医薬品市場全体の3分の1を占める。

 

4+7計画は、価格の抑制という目標を表面上は達成したように見え、最近承認された25の医薬品はすべて値下げされた。値下げ幅の平均は52%で、中には96%も値引きする企業もあった。

 

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計画の影響を受けた25の後発医薬品(ゲフィチニブ、テノホビル、イマチニブなど)のうち、納入権を得られた多国籍メーカーは英アストラゼネカと米ブリストル・マイヤーズスクイブの2社にとどまる。価格面での妥協を嫌う傾向にある多国籍後発医薬品メーカーにとって、変化の続く環境で生き残るのが難しくなっているのがうかがえる。いずれにしても4+7計画は、中国医療で患者アクセスを向上させた成功例としても讃えられている。

 

中国の国家医療保障局(NHSA)は今年4月、値引き対象分全体の約27%、額にして5億3300万人民元(7969万ドル)に相当する4億3800万単位の医薬品がすでに調達されたと発表した。これは、計画の施行から14日以内で、また、施行期間を11カ月も残しての結果である。

 

NHSAによると、11都市の病院に入院した患者は、がんや高血圧、精神疾患、B型肝炎の治療薬など複数の後発品で取り決められた値下げによって、大きな恩恵を受けている。さらに、値下げの恩恵にあずかろうと、地方の患者が11の都市に移り始めているという。これは、計画の対象を11都市以外にも拡大する可能性を正当化するだろう。

 

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公正な競争を促す

中国の後発医薬品業界は極度に細分化され、品質管理に問題を抱えており、患者アクセスより利益を優先しているように見える。しかしこの状況は、4+7計画によって大きく変化することになるだろう。

 

価格設定のルール化により、手頃な価格の医薬品に対する患者のアクセスが向上すると期待され、同時に品質の低い医薬品は排除されるだろう。国内メーカーは研究開発への投資を進め、中国国内での製造も活発化する可能性がある。最も重要なのは、中国内外を問わずメーカー間で公正な競争が行われることで、患者に有利な状況が生まれることだ。

 

とはいえ、計画の範囲を広げるには多くの課題があるのも事実だ。例えば、価格低下による利ざやの縮小は、多国籍メーカーの中国での事業意欲を損ない、入札で勝てない小規模な中国メーカーを失望させるおそれがある。規制も競争も厳しい中国市場で成功するには、多国籍メーカーは入札に勝つための効果的な戦略を練る必要があり、中国メーカーはより研究開発に力を入れていくことが必要になる。

 

(原文公開日:2019年5月14日)

 

この記事は、Decision Resources Groupのアナリストが執筆した英文記事を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです。

 

【記事に関する問い合わせ先】
ディシジョン・リソーシズ・グループ日本支店
斎藤(カスタマー・エクスペリエンス・マネージャー)
E-mail:ssaito@teamdrg.com
Tel:03-5401-2615(代表)

 

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