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【2019年4月版】製薬大手 抗がん剤パイプライン(1)ロシュ・ファイザー・ノバルティス

市場拡大が著しく、開発競争も熾烈ながん領域。製薬大手の後期開発パイプラインをまとめました(全5記事。この記事は半年をめどに更新していく予定です)。

 

パイプラインは調査時点で各社がホームページで公表していた情報に基づく。いつ時点の情報かは会社によって異なるため、承認・申請など直近のイベントが反映されていない場合もある。

 

スイス・ロシュ

CancerPipeline1_Roche1904

 

免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-L1抗体アテゾリズマブ(製品名・テセントリク)は、現在、腎細胞がんや非小細胞肺がんなどの適応症で臨床第3相(P3)試験を実施中。2021年までに20の適応拡大承認を目指しており、19年3月にはトリプルネガティブ乳がんや肺がんの併用療法で米国で承認を獲得しました。

 

注目の薬剤として挙げられるのが、ROS1/TRK阻害薬entrectinib(開発コード・RG6268)や、pan-Akt阻害薬ipatasertib(RG7440)など。

 

entrectinibはNTRK融合遺伝子陽性固形がんを中心に開発が進められており、ドライバー遺伝子を標的とした臓器横断的な適応での承認を目指しています。ipatasertibはがん細胞の増殖に関わるPI3K/Akt/mTOR経路に作用する薬剤。アンメットニーズの高いトリプルネガティブ乳がんに対する新薬として期待されています。

 

直近では、16年にBioNTechから導入したネオアンチゲンワクチンのRG6180-1が、悪性黒色腫を対象にP2試験を開始しました。

 

米ファイザー

CancerPipeline1_Pfizer1904

 

独メルクと共同開発する抗PD-L1抗体アベルマブ(製品名・バベンチオ)は、卵巣がんや非小細胞肺がんなどでP3試験が進行中。抗OX40抗体PF-04518600や抗4-1BB抗体PF-05082566など、別の免疫療法薬との併用療法も開発が進められています。バベンチオは19年1月、日本で腎細胞がんに対するチロシンキナーゼ阻害薬「インライタ」との併用療法を申請しました。

 

PARP阻害薬talazoparib(Talzenna)は18年10月、BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の局所進行・再発乳がんを対象に米国で承認を取得。欧州でも申請中で、日本を含むグローバルで前立腺がんを対象に開発が進んでいます。

 

SMO阻害薬glasdegib(Daurismo)は18年11月に、急性骨髄性白血病に対する低用量シタラビンとの併用療法の適応で米FDAから承認を取得。欧州で開発後期段階にあります。CKD4/6阻害薬パルボシクリブ(イブランス)やALK阻害薬ロルラチニブ(ローブレナ)も、適応拡大に向けた開発が進められています。

 

スイス・ノバルティス

CancerPipeline1_Novartis1904

 

世界初のCAR-T細胞(キメラ抗原受容体発現T細胞)療法として承認されたチサゲンレクルユーセル(キムリア)は、慢性リンパ性白血病などの血液がんへの適応拡大に向けた開発が進行中。米メルクの免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブ(キイトルーダ)との併用療法もP2試験を行っています。日本でも今年3月、▽びまん性大細胞型B細胞リンパ腫▽小児の急性リンパ芽球性白血病――の2適応で承認を取得しました。

 

免疫療法ではこのほか、抗PD-1抗体spartalizumab(開発コード・PDR001)が、悪性黒色腫を対象に、BRAF阻害薬ダブラフェニブ(タフィンラー)、MEK阻害薬トラメチニブ(メキニスト)との併用療法でP3試験段階。別の併用療法でもP2試験を実施中です。

 

自己炎症性疾患治療薬「イラリス」としてすでに販売されている抗IL-1β抗体カナキヌマブ(ACZ885)は、非小細胞肺がんを対象に開発の最終段階。得意とする白血病ではBCR-ABL阻害asciminib(ABL001)とシグナル伝達阻害薬midostaurin(Rydapt)の開発が進みます。alpelisib(BYL719)も、PI3Kα阻害薬として初めて開発に成功する可能性があり、注目されています。

 

(亀田真由)

 

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