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ニュース解説

【2020年3月版】製薬大手 抗がん剤パイプライン(1)ロシュ・ファイザー・ノバルティス

市場拡大が著しく、開発競争も熾烈ながん領域。製薬大手の後期開発パイプラインをまとめました(全5記事。この記事は半年をめどに更新していく予定です。全記事まとめはこちら)。

 

パイプラインは調査時点で各社がホームページで公表していた情報に基づく。いつ時点の情報かは会社によって異なるため、承認・申請など直近のイベントが反映されていない場合もある。

 

スイス・ロシュ

【スイス・ロシュ】がん領域の後期開発パイプライン

 

免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-L1抗体アテゾリズマブ(製品名・テセントリク)は、肝細胞がんと非小細胞肺がん(ともにファーストライン)で申請中。腎細胞がんやトリプルネガティブ乳がんなど14の適応で臨床第3相(P3)試験を進めており、2020年中に6つの適応拡大を申請する予定です。MEK阻害薬cobimetinib(Cotellic)や抗TIGIT抗体tiragolumab(開発コード・RG6058)などとの併用療法も開発が進められています。

 

新規候補化合物で注目なのは、AKT阻害薬ipatasertib(RG7440)とMDM2拮抗薬idasanutlin(RG7388)。

 

ipatasertibは、がん細胞の増殖に関わるPI3K/Akt経路に作用する薬剤で、アンメットニーズの高いトリプルネガティブ乳がんに対する新薬として期待されています。idasanutlinはがん抑制因子のp53遺伝子を活性化させる作用機序を持っており、急性骨髄性白血病を対象に開発中です。

 

抗CD79b抗体薬物複合体(ADC)のpolatuzumab vedotin(Polivy)は、米国で19年6月に、欧州で20年1月にびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の適応で承認されました。日本では20年の申請を予定しています。

 

米ファイザー

【米ファイザー】がん領域の後期開発パイプライン

 

19年7月の米アレイ買収で獲得したBRAF阻害薬エンコラフェニブ(ビラフトビ)は同年12月、BRAF遺伝子変異陽性の大腸がん(セカンド/サードライン)に対する抗EGFR抗体セツキシマブとの併用療法を米国で申請。ファーストラインでは、同じくアレイ創製のMEK阻害薬ビニメチニブ(メクトビ)との併用療法で開発中です。

 

独メルクと共同開発する抗PD-L1抗体アベルマブ(製品名・バベンチオ)は、頭頸部扁平上皮がんや非小細胞肺がんなどでP3試験を進めています。TLR9アゴニストCMP-001やPARP阻害薬talazoparib(Talzenna)との併用療法も開発中。talazoparibは、去勢抵抗性前立腺がんを対象にエンザルタミド(イクスタンジ)との併用療法でもP3試験を行っています。

 

CKD4/6阻害薬パルボシクリブ(イブランス)は、早期乳がんへの適応拡大に向けた開発が大詰め。SMO拮抗薬glasdegib(Daurismo)は急性骨髄性白血病に対する低用量シタラビンとの併用療法を欧州で申請しており、日本でもP3試験を行っています。

 

スイス・ノバルティス

【スイス・ノバルティス】がん領域の後期開発パイプライン

 

米インサイトから導入したMET阻害薬capmatinib(INC280)は、予後の悪いMETエクソン14スキッピング変異を有する非小細胞肺がんを対象に米国と日本で申請中。抗PD-1抗体spartalizumab(PDR001)との併用療法や、同ニボルマブ(オプジーボ)とEGFR阻害薬nazartinib(EGF816)との3剤併用療法でもP2試験を行っています。

 

spartalizumabはBRAF阻害薬ダブラフェニブ(タフィンラー)、MEK阻害薬トラメチニブ(メキニスト)との3剤併用療法を、悪性黒色腫の適応で20年中に申請予定。米エンドサイト買収で獲得した放射線医薬品の177Lu-PSMA-617も、転移性去勢抵抗性前立腺がんで今年中の申請を目指しています。

 

世界初のCAR-T細胞(キメラ抗原受容体発現T細胞)療法として17年に承認されたチサゲンレクルユーセル(キムリア)は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫などへの適応拡大に向けた開発が進んでいます。

 

血液がんではこのほか、BCR-ABL阻害薬asciminib(ABL001)が慢性骨髄性白血病で、抗TIM3抗体MBG453が骨髄異形成症候群や急性骨髄性白血病を対象に開発中。日本では、マルチキナーゼ阻害薬midostaurin(Rydapt)もFLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病の適応でP2試験段階にあります。

 

(亀田真由)

 

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