厚生労働省は12月5日、今年9月取引分を対象に行った医薬品価格調査(薬価本調査)の結果、医薬品の市場実勢価格と薬価の差(平均乖離率)が約7.2%だったと発表した。今回の薬価調査は、来年10月の消費税率引き上げに伴う薬価改定の基礎資料となる。結果は同日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会に報告された。
平均乖離率から調整幅2%を差し引くと、市場実勢価格に基づく引き下げ幅は約5.2%。増税に伴う改定では、実勢価格に基づいて薬価を引き下げた上で、消費税2%分を上乗せすることになる。これまでの中医協での議論では、消費税率が引き上げられる来年10月に、市場実勢価格に基づく引き下げと増税分の上乗せを同時に行う方向となっている。
今回の薬価調査は、今年9月取引分について販売サイド(医薬品卸など)から11月6日までに報告があった取引価格を集計。17年の前回調査と比べると、平均乖離率は1.9ポイント縮小した。
投与形態別の乖離率は、内用薬が8.2%、注射薬が5.2%、外用薬が6.6%。歯科用薬剤は市場実勢価格が薬価を5.7%上回った。
後発医薬品の数量シェアは約72.6%で、17年調査(約65.8%)から6.8ポイント上昇した。