中央社会保険医療協議会(中医協)は11月15日の総会で、新薬12成分25品目の薬価収載を了承した。免疫チェックポイント阻害薬で国内初の抗PD-L1抗体「バベンチオ」(一般名・アベルマブ、メルクセローノ)は200mg10mL1瓶21万8955円で、抗PD-1抗体「オプジーボ」(ニボルマブ)と1日薬価で同水準となった。収載は11月22日の予定。
バベンチオの薬価は、オプジーボを比較薬とする類似薬効比較方式(I)で算定した。1日薬価は3万9099円でオプジーボと同じ。適応は「根治切除不能なメルケル細胞がん」で、1回10mg/kg(体重)を2週間間隔で投与する。ピーク時の売上高予想は4100万円。
このほかに収載が了承されたのは、ファイザーの乳がん治療薬「イブランス」(パルボシクリブ)や、アッヴィのC型肝炎治療薬「マヴィレット」(グレカプレビル/ピブレンタスビル)など。
イブランスは国内初のCDK4/6阻害薬で、原価計算方式で薬価を算定。ホルモン受容体陽性HER2陰性の手術不能・再発乳がんを対照とした臨床第3相試験で、ホルモン剤との併用で無増悪生存期間を有意に延長したことが評価され、営業利益率が10%加算された。ピーク時には224億円の売り上げを見込む。
マヴィレットはジェノタイプ1とジェノタイプ2のC型慢性肝炎には8週間投与での治療が可能。ジェノタイプ2~6の患者に対してリバビリンの併用を必要としない初めての薬剤である点が評価され、有用性加算(II)がつき、5%薬価が引き上げられた。ピーク時の売上高予想は377億円。
ピーク時に100億円を超える売り上げを見込むのは、イブランスとマヴィレットのほか、サノフィの関節リウマチ治療薬「ケブザラ」(サリルマブ、188億円)、ヤンセンファーマの多発性骨髄腫治療薬「ダラザレックス」(ダラツムマブ、196億円)。MSDの「ジーンプラバ」(ベズロトクスマブ)は、クロストリジウム・ディフィシル感染症に対する新規作用機序の薬剤であることを踏まえ、営業利益率が20%加算された。