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アドボカシー活動のゴールとは|コラム:現場的にどうでしょう

更新日

黒坂宗久

2024年もいよいよ終わりが近付いてきました。皆さんにとって今年はどんな1年でしたか?私はというと、一言で言えば激動の年になりました。しかも現在進行形で…。仕事のことなので詳しく書けないのですが、年末までバタバタしそうで、あっという間に12月が終わってしまうことになりそうです。

 

さて、今回は今年最後のコラムなので、私自身が1年間書いてきた記事を並べつつ、今年を振り返れたらと思います。

 

1月:「薬の価値」とは誰にとっての価値なのか
2月:「黒坂さん、医療の現場を見たほうがいいですよ」と同僚に言われた話
3月:知っているようで知らない「他部署のこと」
4月:病院を見学させてもらいました
5月:「博士人材活躍プラン」でよぎる苦い過去
6月:1年間「アドボカシー活動」をやってきて今思うこと
7月:「発信」って言うほど簡単ではないですね
8月:学会へのブース出展で再認識したアドボカシー活動の意義
9月:ある製薬企業のCMをきっかけに始まった父娘の会話
10月:久しぶりに開かれた研究室の同窓会、アカデミアで研究を続ける後輩たちと話して考えたこと
11月:選挙の結果はどうであれ

 

こうして眺めてみると、今年は仕事としてやっているアドボカシー活動について書くことが多かったなと感じます。経験や体験を通じて自分の中に湧き上がってきた思いを言葉にし、それに対して多くの方から感想やフィードバックをいただけたのは、私にとって本当に有り難いことでした。

 

今年は、夏から先月くらいまで、仕事で未来の社会やヘルスケアについて議論する場がいくつかあり、それをきっかけに最近は「アドボカシー活動のゴールって何だっけ?」ということを考えるようになりました。

 

アドボカシー活動は、社会課題を知ってもらい、仲間を集めながらそれを解決に向かわせる活動です。突き詰めて考えれば、アドボカシー活動の行き着く先はアドボカシー活動が不要な社会であり、私のような仕事をしている人間がいなくなることなのではないかと思ったりもします。

 

一方で、時代の変化や技術の進歩によってこれからも新たな社会課題がどんどん出てくるであろうことも容易に想像がつきます。未来ではむしろ、社会課題は今よりもっと複雑化していて、その理解と解決に向けた活動はシームレスにつながるようになるのではないかと考えています。そうすると、50年後だろうと100年後だろうと、アドボカシー活動がいらなくなるなんてことにはならないでしょう。

 

未来にも人間の悩みはまだまだあって、それを聞いてくれる、一緒に考えてくれる存在は必要なのではないかと思います。ただ、そうやって人に寄り添う存在が人間なのかどうかは分かりませんが。

 

未来のことをいろいろと考えてみましたが、未来の土台を作っているのは今を生きる私たちだということは忘れないようにしたいなと思っています。よりよい未来のために、課題解決のための環境を整え、社会に広く理解者を増やしていく。そんな活動を来年も続けていきたいです。個人的にはやっぱり、製薬業界は社会に価値を提供し、貢献していることをたくさんの人に知ってもらいたいと思います。

 

直接会ってお話させていただいた方、コラムを読んで支えてくださった方、今年も1年お世話になりました。来年もたくさんの方と交流し、活動の糧にしていけたらと思っています(Xでのご連絡も大歓迎です!)。

 

※コラムの内容は個人の見解であり、所属企業を代表するものではありません。

 

黒坂宗久(くろさか・むねひさ)Ph.D.。アステラス製薬アドボカシー部所属。免疫学の分野で博士号を取得後、約10年間研究に従事(米国立がん研究所、産業技術総合研究所、国内製薬企業)した後、 Clarivate AnalyticsとEvaluateで約10年間、主に製薬企業に対して戦略策定や事業性評価に必要なビジネス分析(マーケット情報、売上予測、NPV、成功確率、開発コストなど)を提供。2023年6月から現職。SNSなどでも積極的に発信を行っている。
X:@munehisa_k
note:https://note.com/kurosakalibrary

 

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