科研、原発性胆汁性胆管炎薬の国内P3試験開始へ/J-TEC、リストカット痕に培養表皮移植 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2024年11月5日)
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AnswersNews編集部
科研、原発性胆汁性胆管炎薬の国内P3試験開始へ
科研製薬は11月5日、米シーマベイ・セラピューティクスから導入した原発性胆汁性胆管炎治療薬「KC-8025」(一般名・Seladelpar)について、日本で臨床第3相(P3)試験を開始すると発表した。ウルソデオキシコール酸(UDCA)で効果不十分またはUDCAに不耐性の患者を対象に、1日1回52週間経口投与した際の有効性と安全性を評価する。同薬は、選択的にペルオキシソーム増殖因子活性化受容体デルタ(PPARδ)に作用する低分子経口薬。海外では、今年8月にシーマベイが米国で迅速承認を取得し、英国とEU(欧州連合)でも申請が受理されている。シーマベイは今年3月に米ギリアド・サイエンシズに買収され、現在は同社の子会社となっている。
J-TEC、リストカット痕に培養表皮移植…都内のクリニックで
ジャパン・ティッシュエンジニアリング(J-TEC)は11月5日、傷跡治療に特化した形成外科クリニック「きずときずあとのクリニック」(東京都江東区)と連携し、リストカット痕に対する培養表皮の移植治療を始めたと発表した。治療は同クリニックで自由診療として行い、J-TECは治療に使用する自家培養表皮を供給する。今後、リストカット痕以外への傷跡治療への展開も検討する。
ゼリア新薬、今期業績予想を上方修正…海外事業好調で
ゼリア新薬は11月5日、2025年3月期の業績予想を上方修正したと発表した。修正後の予想は▽売上高860億円(従来予想比30億円増)▽営業利益110億円(10億円増)▽経常利益110億円(10億円増)▽純利益85億円(7億円増)――。クロストリジウム・ディフィシル感染症治療薬「ディフィクリア」を中心に海外医療用医薬品事業が好調に推移する見込みで、売り上げ、利益とも従来の予想を上回る。
東和薬品、通期業績予想を上方修正
東和薬品は11月5日、2025年3月期の業績予想を上方修正したと発表した。円安で海外事業の売上高が増加し、研究開発費が想定を下回ることなどで利益も上振れする。修正後の予想は▽売上高2621億円(従来予想比6億円増)▽営業利益233億円(37億円増)▽経常利益227億円(35億円増)▽純利益150億円(24億円増)――。
オリオンファーマ「ディビゲル」の販売開始
オリオンファーマ・ジャパンは11月5日、経皮吸収エストラジオール製剤「ディビゲル」(一般名・エストラジオール)の販売を開始したと発表した。10月31日付でサンファーマから承認を承継した。オリオンファーマにとっては日本で販売する初の製品となる。同社は12月にもノバルティスファーマから抗パーキンソン薬3品目を承継する予定。
xCARE、イノベーターズ・ブレインと業務提携
医薬品・医療機器開発の専門家プラットフォームを運営するxCARE(東京都渋谷区)は11月5日、コンサルティングファームのイノベーターズ・ブレイン(同)と業務提携したと発表した。イノベーターズ・ブレインは経営支援とテクノロジー開発に強みを持ち、xCAREの人材支援と組み合わせることで研究開発の効率化やDX推進を支援する。
レナサイエンス、台北医学大傘下の企業とPAI-1阻害薬を共同開発
レナサイエンスは11月5日、台北医学大傘下のTaipei Medical University-Biotech(TMU-Biotech)とPAI-1阻害薬「RS5614」の共同開発契約を結んだと発表した。TMU-Biotechは台北医学大のシーズを事業化するために設立された企業で、両社は今年8月にプログラム医療機器の共同開発契約を締結。今回、提携を医薬品開発にも広げ、レナサイエンスのRS5614の臨床開発と事業化でも協力する。RS5614は現在、国内でがんや呼吸器疾患を対象に開発が進められている。
決算
キッセイ薬品工業(24年4~9月期、11月5日発表)
▽売上高426億6600万円(前年同期比14.8%増)▽営業利益17億8100万円(11.6%減)▽経常利益22億3700万円(35.4%減)▽純利益52億4900万円(7.6%減)――。過活動膀胱治療薬「ベオーバ」(88億円、24.1%増)や顕微鏡的多発血管炎・多発血管炎性肉芽腫症治療薬「タブネオス」(42億円、97.3%増)などが伸びた増加した一方で、研究開発費が大きく増加したことで減益となった。25年3月期は売上高865億円(従来予想比35億円増)、営業利益50億円(8億円増)に上方修正した。
あすか製薬HD(24年4~9月期、11月5日発表)
▽売上高323億7100万円(前年同期比2.3%増)▽営業利益33億4500万円(9.5%増)▽経常利益33億1200万円(7.0%増)▽純利益25億6000万円(38.0%減)――。子宮筋腫・子宮内膜症治療薬「レルミナ」(54億円、4.4%増)、月経困難症治療薬「ドロエチ」(36億円、23.3%増)などが売り上げを拡大。前年に投資有価証券売却益を計上していた反動で純利益は大幅に減少した。25年3月期の業績は従来予想(売上高630億円、営業利益67億円)を据え置いた。