住友化学 ファーマとの再生・細胞医薬CDMO合弁、出資比率引き上げ/シンバイオ「トレアキシン」特許訴訟で東和と和解 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2024年9月30日)
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AnswersNews編集部
住友化学、再生・細胞医薬CDMOへの出資比率引き上げ…住友ファーマの持ち分3割に
住友化学と住友ファーマは9月30日、再生・細胞医薬のCDMO事業を手掛ける合弁会社 S-RACMO(エスラクモ)について、10月1日付で住友化学の出資比率を66.6%に引き上げると発表した。今後は住友化学が事業運営を主導し、建設中の新製造棟を活用した受託の拡大や、米国進出などを加速させる。エスラクモは住友ファーマが51%、住友化学が49%を出資して2020年9月に設立。21年度以降は3期連続で黒字を達成している。両社は、住友ファーマが手掛ける再生・細胞医薬の研究開発とその後の製造・販売についても24年度中に新会社を設立する予定。
シンバイオ「トレアキシン」特許訴訟で和解…東和は後発品販売を継続
抗がん剤「トレアキシン」の特許を侵害したとして、製造販売元のシンバイオ製薬が東和薬品に同薬の後発医薬品の製造販売差し止めなどを求めた訴訟で、両社は9月30日、和解が成立したと発表した。両社は和解内容を明らかにしていないが、東和はトレアキシン後発品の製造販売を続ける。東和は和解が業績に与える影響は軽微としている。シンバイオは2022年12月、東和の後発品が特許権を侵害しているとして、ライセンス元の米イーグル・ファーマシューティカルズとともに後発品の製造販売差し止めと損害賠償を求めて提訴していた。
富士製薬、アイスランド・アルボテックと提携のバイオシミラーを申請
富士製薬工業は9月30日、アイスランドのアルボテックと日本での商業化で提携しているバイオシミラーのうち、新たに1製品を申請したと発表した。具体的な成分名は明らかにしていない。両社は2018年に複数のバイオシミラーについて日本での商業化に関する独占的パートナーシップに合意。提携品の申請は今年5月に発売した「ウステキヌマブBS皮下注シリンジ『F』」に続いて2製品目となる。
イーエヌ大塚、経腸栄養剤「イノソリッド」承認
イーエヌ大塚製薬は9月30日、経腸栄養剤「イノソリッド配合経腸用半固形剤」が承認されたと発表した。同製品は、日本人の食事摂取基準(2020年版)を参考に、三大栄養素、ビタミン、微量元素をバランスよく配合した半固形状の経腸栄養剤。同社は2014年に1600kcalの経腸用半固形剤「ラコールNF」を発売したが、イノソリッドは900kcalとし、維持エネルギー量の低い患者にも配慮した製品とした。
マルホ、阪大などと製剤設計用デジタルプラットフォーム開発の共同研究
大阪大とマルホは9月30日、北海道大、岡山大、横浜市立大、福岡大の4大学と、製剤設計用デジタルプラットフォーム開発に向けた共同研究体制に関する契約を締結したと発表した。各大学とマルホに所属する理論化学・計算化学・化学情報学の専門家が協力し、製剤開発プロセスを効率化し、新規アイデアの創出を促進するプラットフォームを開発する。
シミックHD、Ubieと業務提携
シミックホールディングスは9月30日、Ubie(東京都中央区)と業務提携したと発表した。UbieのAI問診エンジンをコア技術とする医療プラットフォームと、シミックグループのCRO、SMO、CSOのノウハウを掛け合わせ、製薬企業向けの新サービスを展開していくとしている。
キッズウェル子会社、獨協医科大などと虚血性骨疾患治療法の共同研究
キッズウェル・バイオは9月30日、子会社エスカトルが、獨協医科大、HOYAテクノサージカルと、虚血性骨疾患の新規治療法開発に向けた共同研究契約を結んだと発表した。3者の知識や技術などを融合させ、大腿骨頭壊死症での骨頭圧潰をはじめとする虚血性疾患に対する治療法の開発を目指す。動物モデルを使った研究では、乳⻭⻭髄幹細胞(SHED)とある種の骨充填剤を組み合わせることで高い骨再生効果が発揮されることが確認されたという。