製薬業界の求人動向を、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
求人件数は微増
2024年9月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月からわずかに増加しました。
職種別に見ると、前月から増加したのは「ライセシング・事業開発」(前月比14%増)や「薬理研究」(12%増)、「基礎研究」(10%増)など。一方、減少となったのは「MA・MSL」「学術・DI」(9%減)や「QC・QA・監査」(7%減)などでした。前月に続き中途採用ニーズは堅調です。
[研究]国内大手や創薬研究支援企業でニーズ
研究職では、引き続き国内大手メーカー中心に活発な募集が行われています。創薬研究支援企業のニーズも堅調。海外企業との共同研究・受託案件が増えているためで、メーカー、受託企業を問わず海外との協働経験があると選択肢が広がりそうです。
[開発]これまで以上に英語力が問われるように
開発職は例年並みの求人件数で推移しています。直近相次いで発表された早期退職の影響も限定的で、ほかの職種に比べるとマーケットは落ち着いている印象です。
「開発企画・PM」は前月比6%増となりました。外資系メーカーに加え、内資系メーカーでも海外担当やパイプラインの進展に伴う新規ポジションで募集が行われています。国内中堅メーカーの海外進出も増えており、これまで以上に英語力が求められるケースが増えています。
CRA(モニター)は前月比4%減でしたが、数字ほど求人が減った印象はありません。今秋や来春の入社に向けた未経験モニターの募集も行われています。
[製造]異業種含め幅広く募る企業が増加
製造職のマーケットは引き続き活況です。バイオ医薬品を中心に幅広い分野でニーズは堅調で、新薬メーカー、後発医薬品メーカー、受託企業を問わず活発に募集が行われています。品質管理では食品や化学など、異業種を含めて幅広く人材を募る企業が増えていますし、品質保証では工場QAなどで未経験応募可の求人が出ています。
[MR]メーカーの採用枠は今年1番
MRの求人件数は、前月比1%増となりました。日本での事業拡大を目指す海外バイオテックを中心に企業の採用意欲は高まっており、この先も採用枠2桁の新たな求人が出てくるとみられます。メーカー全体の採用枠でみると、今年一番だった前月を上回る水準になっています。
一方、こうした状況を踏まえて転職を希望する方も増えている印象です。エリアや担当領域の希望によってはライバルが多くなりますので、早期退職で次を検討している人は時にCSOも含めて幅広い選択肢を検討できると良いかもしれません。CSOではメーカーの早期退職を受け、大手中心に採用を強化しています。
※※※
早期退職の影響もあり、中途採用の市場は企業側、求職者側とも動きが活発になってきています。AnswersNewsに最近掲載されたコラムでは、ケミストのコラムニストが創薬研究者がこれから働く場所について考えを書いています。コラムにも書かれているように、CROやCRDMOが研究者の活躍の場として広っていく可能性は大きくなっており、求人動向にもそれが表れつつあります。
売り手市場といわれる製造職でも、バイオ医薬品のニーズが拡大する中、CMC研究や分析研究、製剤研究といった分野では低分子での経験がうまく生きないケースも出てきています。どこでどんな経験を積み、どう生かしてキャリアを構築していくのか、さまざまな職種で問われるようになってきていると感じます。将来のキャリアを描き、そのために必要な経験は何か、早くから考えておくことがより大切になってきています。
Answers転職サポートでは、求人情報から転職市場全体の最新動向まで、幅広い情報を提供しています。具体的な転職のご相談はもちろん、今後のキャリアに関するご相談まで、お気軽にお問い合わせください。
(コンサルタント 永田雅実)
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