住友ファーマ 早期退職700人募集、国内従業員の約4分の1
住友ファーマは7月31日、早期退職者を募集すると発表した。募集人数は約700人で、国内従業員数の約4分の1に相当する。同社は主力品の特許切れや新製品の伸び悩みにより前期まで2期連続で最終赤字を計上しており、今期も160億円の純損失を見込んでいる。国内では昨年、パーキンソン病治療薬「トレリーフ」に後発医薬品が参入し、糖尿病治療薬「エクア」「エクメット」も特許切れを控えており、構造改革が必要と判断した。早期退職者の募集対象は11月末時点で40歳以上かつ勤続5年以上の社員で、募集期間は9月17日~10月11日。応募者は11月末で退職する。同社は昨年度、米国事業でも1000人の人員削減を行った。
サンバイオ「アクーゴ」条件・期限付き承認取得
サンバイオは7月31日、ヒト体性幹細胞加工製品「アクーゴ脳内移植用注」(一般名・バンデフィテムセル)について、条件・期限付き承認を取得したと発表した。適応は「外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善」。同薬は脳内の損傷した神経組織に移植し、神経細胞の増殖・分化を促進する世界初の治療薬。承認にあたっては「治験製品との品質の同等性/同質性を評価し、必要な一部変更申請が承認されるまで出荷を行わない」との条件がつけられており、サンバイオは今後、2回程度市販品を製造する中で同等性/同質性を評価。出荷が可能となる時期は来年2~4月の出荷を想定している。
中外、ロシュからPI3K阻害薬を導入
中外製薬は7月31日、スイス・ロシュとPI3Kα阻害薬inavolisibの導入契約を結んだと発表した。中外は同薬の日本での独占的開発・販売権を取得し、対価として一時金とマイルストンを支払う。同薬はロシュグループの米ジェネンテックが創製。PIK3CA遺伝子変異を有するホルモン受容体陽性、HER2陰性の進行性乳がんを対象に海外で臨床第3相(P3)試験が行われている。
アストラゼネカ、肺がん領域で2つの適応拡大を申請…タグリッソとイミフィンジ
アストラゼネカは7月31日、肺がん治療薬「タグリッソ」(オシメルチニブ)と免疫チェックポイント阻害薬「イミフィンジ」(デュルバルマブ)について、それぞれ適応拡大を申請したと発表した。タグリッソは、エクソン19欠失型またはエクソン21(L858R)点突然変異が確認された切除不能なステージIIIのEGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がんで、根治的化学放射線療法後の治療として申請。イミフィンジは根治的化学放射線療法後に疾患進行が認められない限局型小細胞肺がんに対する単剤療法を申請した。
富士レビオ、バイオジェンなどとアルツハイマー病の血液検査試薬開発で連携
H.U.グループホールディングスは7月31日、子会社・富士レビオ・ホールディングス傘下の米フジレビオ・ダイアグノスティクスが、米バイオジェン、米ベックマン・コールターとアルツハイマー病向け血液用検査試薬の開発・実用化で提携したと発表した。脳内のリン酸化タウタンパク質の蓄積レベルを測定する血液バイオマーカーを活用し、検査試薬の開発・実用化を目指す。バイオジェンが臨床試験データやバイオマーカー研究の知見を提供し、富士レビオグループとベックマンが試薬の開発・製造・実用化を担う。
決算
鳥居薬品(2024年1~6月期、7月31日発表)
▽売上高283億900万円(前年同期比10.2%増)▽営業利益31億4100万円(107.9%増)▽経常利益29億8500万円(93.5%増)▽純利益22億2100万円(104.4%増)――。主力の高リン血症・鉄欠乏性貧血治療薬「リオナ」やアトピー性皮膚炎治療薬「コレクチム」、アレルゲン免疫療法「シダキュア」などが好調。前期にライセンス契約一時金を計上した反動で利益は大幅に増加した。24年12月期の業績予想は売上高607億円(11.1%増)、営業利益63億円(25.1%増)を据え置いた。