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製薬業界 2024年下半期の転職市場トレンド予測―MRは過去数年で最高の有効求人倍率となる見込み

更新日

AnswersNews編集部

2024年下半期(7~12月)の製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが展望します。

 

下半期はMRや研究職を中心に堅調に推移

 

【2024年下半期製薬業界の転職市場予測】〈職種/求人件数/ポイント〉研究/やや増加/夏から秋にかけて内資系メーカーで求人増|開発/横ばい/メーカーの求人は減少傾向。内資・外資ともCROのニーズは好調|製造/横ばい/売り手市場。採用間口を広げる企業も|MR/増加/夏にかけて有効求人倍率はここ数年のピークに|秋口以降は欠員募集のニーズも増えそう|マーケティング/やや減少/✓営業関連のマーケティングニーズは好調|MA・MSL/やや減少/✓専門性や企画力の高い人材を求める傾向

 

今年の上半期はMRを中心に活発な中途採用が行われていましたが、下半期もMRや研究職を中心に求人件数は堅調に推移する見通し。開発職や製造職も上半期並みの求人数となる見込みですが、マーケティングやMA・MSLのポジションはやや募集が落ち着くと予想しています。

 

それでは、各職種について詳しくみていきましょう。

 

【研究】求人件数はやや増加

上半期に引き続き、研究職では国内メーカーの募集が活発となる見通しです。

 

秋口にかけて、足元の業績が好調な大手新薬メーカーを中心に各社が複数のポジションで募集を開始するとみられ、年末まで採用意欲の高い状況が続きそう。海外との共同研究や新規モダリティの経験など、自社にないノウハウを持つ外部人材の登用が加速しており、この傾向は下半期も続くと考えられます。

 

新卒採用でも人材の獲得競争が激しくなっていることもあり、一部の準大手~中堅の企業では、薬物動態や薬理研究といったポジションで第二新卒を含めて募集を行う企業が出てきそう。経験者層も若手層も、以前に比べると転職を検討しやすい状況となるでしょう。

 

【開発】求人件数は横ばい

開発職は全体として横ばいの予想ですが、メーカーとCROで傾向は異なります。

 

メーカーでは、昨年から今年上半期にかけて続いていたCRA(モニター)の募集が一段落。下期の募集はやや減少する見込みです。ただ、モニターの充足を受けて、今後は開発企画やPM(プロジェクトマネジメント)といった職種で求人が増えてくると予想されます。

 

一方、CROのニーズはモニターを中心に堅調に推移する見通し。直近は一部のグローバルCROでアジアの臨床試験について再度、日本に注力する動きが出ており、採用が強化される可能性もありそうです。

 

このほか職種別では、PV(ファーマコビジランス)のマーケットトレンドに変化が見られます。PV業務のDXが加速しており、ベンダーであるコンサル会社からの募集が出てくるようになりました。その反面、メーカーやCROのPVの求人は減少する見通しです。

 

【製造】求人件数は横ばい

製造職のニーズは下半期も高水準で推移しそう。求人件数は横ばいの見込みですが、求人数が求職者数を上回る売り手市場が続く見通しです。品質管理(QC)や製造オペレーションなどのテクニカルな職種では、食品・化学や半導体など異業界の人材にも間口を広げるメーカーが出てきています。

 

品質保証(QA)では英語力が必須となる求人が増加。CMC研究では、海外での自社製販を目指す企業で技術移管を担う人材の募集が活発なほか、各社が新規モダリティの製剤化に関わる技術を持つ人材の採用に積極的です。

 

【MR】求人件数は増加

上半期に引き続き、MRはスペシャリティ領域の大型募集が活発になる見通し。MRの有効求人倍率はこの8月、過去数年で最も高くなると予測しています。秋以降も十数人規模の募集が出てくる可能性は十分あり、向こう数カ月は売り手市場となる見込みです。

 

そのためか、企業が求める人材にも変化が生まれています。これまでであれば領域経験者が必須とされていたような求人でプライマリ経験者にも門戸が開かれつつあり、特にメーカーで経験を積んできた人にとってはチャンスが広がっている状況です。直近では、転職を決めた人の平均年齢もやや上がっています。一方で、CSOからメーカーへの転職はやや厳しいマーケットとなりそうです。

 

【マーケティング】求人件数はやや減少

マーケティングの求人件数は、横ばいからやや減少で推移する見通し。向こう1年での製品発売や適応拡大を見込む企業が多いことから、営業サイドのマーケティング職のニーズは継続してある見通しですが、求人件数が増えるとまではいかなさそう。DXに関連する募集は業界外からの登用が中心でしょう。

 

【MA・MSL】求人件数はやや減少

MA・MSLのマーケットでは、引き続きアウトソース企業による募集がトレンド。外資系メーカーの募集も活発ですが、高い領域専門性やプランニング力などを備えた即戦力人材を求める求人が中心で、一時期に比べるとニーズは落ち着いて推移しそうです。

 

***

 

世界情勢もめまぐるしく変化する中、製薬業界の中途採用を取り巻く環境も刻一刻と変わっています。転職を検討する・しないに関わらず、いま一度、自身の市場価値を知るべきタイミングが来ているといえそうです。この夏は、ニュースなどを通じて他業界をめぐる動向にも目を配りながら、この業界のこと、ご自身のことを客観的に見つめ直す機会としていただけたらと願っています。

 

そのためにお手伝いできることがあれば、Answers転職サポートまでお気軽にお問い合わせください。最新の求人動向に関する情報提供からキャリア相談まで、ご状況に応じてご支援します。

 

(コンサルタント 永田雅実/佐久間貴大)

 

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