デルタフライ、条件付き承認目指した「DFP-14323」P3で優越性検証
デルタフライファーマは2月2日、臨床第2相(P2)試験の結果をもとに条件付き承認の申請を目指していた抗がん剤「DFP-14323」について、優越性の検証を目的とするP3試験を開始すると発表した。EGFR遺伝子変異を持つステージ3/4の非小細胞肺がんを対象に行ったP2試験では、アファチニブとの併用で23.1カ月の無増悪生存期間(PFS)を示した。デルタフライはこの結果をもとにPMDA(医薬品医療機器総合機構)と相談を重ねてきたが、P3の比較試験の実施を要請された。P3試験では、DFP-14323とアファチニブの併用療法を、アファチニブ単剤と比較し、PFSで優越性を検証する。
アムジェン、抗がん剤治験でDCT…MICINのeConsentを使用
MICIN(東京都千代田区)とアムジェン、聖マリアンナ医科大病院は2月1日、アムジェンが聖マリアンナ医科大病院で行う抗がん剤の治験で、MICINの分散型臨床試験(DCT)プラットフォーム「MiROHA(ミロハ)」の使用を開始したと発表した。MiROHAのeConsent機能を使い、治験実施医療機関と関連病院をオンラインで繋いで遠隔でインフォームド・コンセントを行う。今回、MiROHAを使用する臨床試験は、発現頻度が少ないバイオマーカーを対象としており、DCTを活用することで組み入れを促進する。
決算
スイス・ロシュ(2023年12月期、2月1日発表)
売上高587億1600万スイスフラン(CHF、約10兆491億円、前期比7%減)、営業利益153億9500万CHF(12%減)、純利益123億5800万CHF(9%減)。為替変動を除くと1%の増収。多発性硬化症治療薬「Ocrevus」(63億8100万CHF、13%増)や血友病治療薬「ヘムライブラ」(41億4700万CHF、16%増)などが伸び、「ロナプリーブ」を中心とする新型コロナウイルス感染症関連製品の売り上げ減少やバイオシミラーの影響を補った。眼科領域の新薬「バビースモ」は324%増の23億5700万CHFを売り上げた。24年12月期は1桁台前半の売り上げ成長を見込む。
米メルク(2023年12月期、2月1日発表)
売上高601億1500万ドル(約8兆8157億円、前期比1%増)、純利益3億6500万ドル(97%減)。米プロメテウス・バイオサイエンシズの買収や、第一三共とのがん領域での提携にかかる費用が利益を押し下げた。主力の抗がん剤「キイトルーダ」の売上高は19%増の250億1100万ドル。HPVワクチン「ガーダシル/ガーダシル9」(88億8600万ドル、29%増)なども好調で、新型コロナウイルス感染症治療薬「ラゲブリオ」の売り上げ減少をカバーした。24年12月期は、売上高627億~642億ドルを予想している。
仏サノフィ(2023年12月期、2月1日発表)
売上高430億7000万ユーロ(約6兆8708億円、前期比0.2%増)、純利益54億ユーロ(35.5%減)。アトピー性皮膚炎などに対する抗体医薬「デュピクセント」が34.0%増の107億1500万ユーロを売り上げ、多発性硬化症治療薬「Aubagio」の特許切れの影響を補った。開発品の減損で利益は減少。24年12月期は1株あたり純利益(EPS)で1桁台前半の減少を見込む。