「エンハーツ」特許訴訟、第一三共に損害賠償とロイヤリティ支払い命じる判決
第一三共は10月18日、米シージェンと争っている抗体薬物複合体(ADC)「エンハーツ」をめぐる特許訴訟で、米テキサス州東部地区連邦地裁が第一三共に損害賠償とロイヤリティの支払いを命じる1審判決を出したと発表した。第一三共は控訴を含めてあらゆる法的手段を検討するとしている。損害賠償額は4180万ドル(約63億円)。ロイヤリティは、2022年4月1日からシージェンの持つ特許が満了する24年11月4日までのエンハーツの米国売上高の8%を支払うよう命じた。
富士製薬、月経困難症治療薬を申請
富士製薬工業は10月18日、エムスリーと国内で共同開発しているエステトロール/ドロスピレノン配合剤を月経困難症の適応で申請したと発表した。同薬は富士製薬がベルギーのミスラ・ファーマシューティカルズから導入した薬剤。天然型エストロゲンのエステトロールを新規成分として含有している。欧米などですでに販売されており、富士製薬は子会社を通じて今年5月からタイで販売している。日本では2024年中の発売を目指している。
武田 アイルランド歳入庁と和解…シャイアーめぐる税務紛争
武田薬品工業は10月18日、2019年に買収したシャイアーが米アッヴィから受け取った違約金に関する税務紛争で、アイルランド歳入庁と和解したと発表した。武田は和解金として1億3000万ユーロ(約205億円)を同庁に支払う。これにより、武田は未払法人所得税のうち和解金額を超える部分を振り戻し、24年3月期第2四半期の連結財務諸表から約630億円の税金費用を減額する。通期業績予想については必要に応じて適切に見直すとし、修正する場合は今月26日に予定している決算発表時に公表するとしている。シャイアーは18年、アッヴィから買収申し出の取り下げに関する違約金として受け取った16億3500万ドルについてアイルランド歳入庁から3億9800万ユーロの課税通知を受領。武田が異議を申し立てていた。
キッセイ、医療関係者向けサイトで安全性情報提供システムを公開
キッセイ薬品工業は10月18日、自社の医療関係者向けサイトで安全性情報提供システム「KISSEI Safety LINK」を公開したと発表した。同社は2006年10月、MRが携帯する情報端末から自社製品の安全性情報(副作用情報)を検索できるシステムを業界で初めて導入。新たに公開したシステムでは、医療関係者が自ら安全性情報を検索・閲覧でき、医療関係者が必要とするタイミングで情報を提供することができるようになる。
シミックCMO 米ラトガース大と業務提携、連続生産など開発
シミックホールディングスは10月17日、グループ会社の米シミックCMO USAが同ラトガース大と業務提携の覚書を結んだと発表した。同大は医薬品開発に関する先端研究に取り組んでおり、今回の提携でシミックCMO USAが所有する敷地内に研究拠点を開設。連携して連続生産などの開発を進める。