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mRNAインフルワクチン、実現には「次世代技術が必要」―仏サノフィ幹部

更新日

ロイター通信

(写真:ロイター)

 

[ロイター]仏のサノフィは、最も成功した新型コロナウイルス感染症ワクチンの基盤となったmRNA技術について、現在の技術ではインフルエンザワクチンとしての実用化は難しいことが臨床試験で示されているとし、次世代技術の開発に取り組んでいる。

 

世界最大のワクチンメーカーの1つである同社は、mRNAをベースに開発しているインフルエンザワクチンについて、初期の臨床試験の結果を発表した。それによると、A型インフルエンザウイルスには強い免疫反応を示したものの、B型ウイルスでは期待していた成果を得られなかった。

 

季節性インフルエンザは毎年、A型とB型の両方のウイルスが流行の原因となる。現在のワクチンはいずれの型にも効果を示す。

 

ライバルの米モデルナも今年2月、「mRNA-1010」と呼ぶワクチン候補で同様の試験結果を発表。4月には、さらなる候補が試験に成功しなかったと明らかにした。

 

サノフィのワクチン部門責任者であるトーマス・トリオンプ氏はロイターに「mRNAインフルエンザワクチンを成功させるには次世代のmRNA技術が必要であり、われわれはそれに取り組んでいる」と語った。彼は、現在の技術をこれ以上追求することは「壁にスパゲティを投げつける」のに等しいと指摘した。

 

トリオンプ氏によると、サノフィが取り組んでいる技術のアップデートは、▽B型インフルエンザに優れた免疫反応を示す▽より優れた脂質でカプセル化することによって、通常の冷蔵庫の温度で長期間、保存できるようにする――ことが必要だと述べた。

 

ファイザーやモデルナも開発

米ファイザーは昨年、mRNAベースのインフルエンザワクチン候補について、大規模な後期臨床試験を開始した。パートナーである独ビオンテックと共同で、新型コロナとインフルエンザの混合ワクチンの初期治験も進めている。

 

英グラクソ・スミスクライン、米メルク、ファイザーに次いで売上高世界4位のワクチンメーカーであるサノフィは、インフルエンザ、小児用、渡航者用など幅広いワクチンを提供している。同社のワクチンの売上高(2022年)は、グループ売上高430億ユーロのうち72億ユーロ(約78億5000万ドル)を占める。特に好調なのは、「Efluelda」または「Fluzone」というブランド名で販売されている高齢者向けインフルエンザワクチンの高用量バージョンだ。

 

サノフィは先月、ワクチン事業を紹介する投資家向けのイベントで、2030年までにワクチンの年間売上高を100億ユーロ以上に引き上げるという目標をあらためて示した。

 

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