製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
求人件数は前月から微減
2023年1月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月からわずかに減少しました。
職種別に見ると、前月から増加したのは「製剤研究・製剤技術」(前月比9%増)や「QC・QA・監査」(5%増)、「基礎研究」(4%増)など。一方、減少となったのは「管理薬剤師」(8%減)、「ライセンシング・事業開発」(6%減)、「MR」「MA・MSL」(いずれも5%減)などでした。
[研究職]内資メーカー中心にニーズ
研究職では引き続き、国内の大手から中堅の新薬メーカーが、核酸医薬やバイオ医薬品の分野で募集を行っています。この傾向は3月あたりまで続くと予想されます。バイオベンチャーでは再生医療の分野で採用が活発です。
[開発職]一部メーカーでもCRA募集
開発企画・PMは、外資系企業の年度替わりで募集を終えた求人が多かったこともあり、前月比1%減となりました。新規の求人はパイプラインの進展に伴うものが多く、各社で採用背景は異なっている印象です。
CRA(モニター)では、引き続きCROの採用意欲が高水準。メーカーでも、難易度の高い試験を抱える一部の企業がモニタリング業務の内製化に向けた募集を行っています。メーカーのモニター求人は募集期間が短くなりがちで、こまめな情報収集とタイムリーな応募が大切です。
[製造職]内資大手・準大手で積極採用
製造職では、従来から積極採用を行っている内資大手・準大手企業で採用ニーズが出ています。採用背景は欠員補充から組織強化までさまざま。新規の求人では製剤研究・製剤技術に関連するポジションの募集が目立ちます。受託企業ではmRNA医薬品など新規モダリティの製造に関連する求人が新たに出ており、今年も製造職の市場は活発に推移すると見られます。
[MR/MA・MSL]CSOでもスペシャリティ領域の採用増
MRの求人は前月までと比べると少し落ち着きましたが、外資系企業を中心に新規の求人も出ており、今後も市場は活発に動いていく見通しです。CSOでもスペシャリティ領域のプロジェクト受注が増えてきており、メーカーの領域経験者などを求める求人が出ています。
メディカル(MA・MSL)では、昨年比で採用枠を増やす外資系メーカーが出てきています。求人件数としては前月から5%減ですが、採用人数そのものは増えている印象です。
※ ※ ※
今年の転職市場は、昨年に引き続きMRや製造といった職種を中心に堅調に推移する見通しです。
Answers転職サポートでは、求人情報から転職市場の最新動向まで、幅広く情報を提供しています。お気軽にお問い合わせください。
(コンサルタント 香本牧子)
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