製造職、メーカー・CDMOとも積極採用で求人増…CROでは未経験可の募集が活発｜製薬業界 転職市場トレンド（2022年12月）

製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」（運営元：株式会社クイック）の専任コンサルタントが毎月レポートします。

求人件数は前月から微減

2022年12月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月からわずかに減少しました。

職種別に見ると、前月から増加したのは「生産技術」（前月比10%増）や「管理薬剤師」（8%増）、「製造技術」（7%増）、「前臨床研究」（6%増）など。一方、減少となったのは「マーケティング」（15%減）、「QC・QA・監査」（14%減）、「MA・MSL」（12%減）、「ライセンシング・事業開発」（9%減）などでした。

［研究職］バイオベンチャーでも採用枠10人以上の募集

研究職は、求人件数は減少したものの、大手を中心に新薬メーカーで募集が出ています。ニーズがあるのは、引き続きバイオ医薬やバイオインフォマティクスなどの分野。バイオベンチャーでも10人以上の枠で募集を行っている企業があります。前臨床のフェーズでは、創薬支援企業などの募集が目立ちます。

［開発職］CROで未経験者対象に来春入社の募集

CROで、来年4月以降の入社に向けた未経験者対象の求人が出始めています。CROでは今年、1年を通じて未経験者の募集が活発でしたが、この傾向は来年も続くと予想されます。メーカーは、引き続きグローバル開発のニーズが拡大しており、高い語学力を持った人材を求める求人が中心です。

［製造職］大手製薬、海外当局対応の経験求める傾向

製造職の求人件数は高水準。大手新薬メーカーやCDMO企業が積極採用を続けています。後発医薬品メーカーでは欠員募集などのスポット採用が中心です。

大手メーカーが求めるのは、海外規制当局の監査・査察に対応できる人材。地方工場を除くと採用のハードルは高くなっており、最近は、経験を積むためにCMO・CDMO企業への転職を検討する人も増えている印象です。受託企業で海外向けの生産に携わることがスキルアップにつながり、キャリアの選択肢を広げることが可能になります。

［MR］早期に募集を終える求人も

MRの求人件数は前月から7%減となりました。早期退職で転職を検討する人が多い状況が続いており、予定より早く募集を終える求人が増えていることが影響しています。CSOも同様で、今まで以上にこまめな情報収集とタイムリーな応募が大切になっています。

ただ、今年を振り返ってみると、MRの転職市場はここ数年で最も活気があったと言え、製薬企業からの求人も多かった印象です。来年も、春にかけて組織の立ち上げや新薬の発売に伴う求人が出てくると予想され、転職を検討しやすい環境が続きそうです。

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転職市場のトレンドを毎月お届けしてきた本コーナーは、今回が今年最後の更新となります。今年も1年間、ありがとうございました。来年も、製造職やMRを中心にニーズの高い状況が続きそうです。

Answers転職サポートでは、求人情報から転職市場の最新動向まで、幅広く情報を提供しています。転職を考えている方はもちろん、まずは情報収集からという方も、お気軽にお問い合わせください。

（コンサルタント　佐久間貴大）