塩野義のコロナ治療薬「ゾコーバ」緊急承認の結論先送り
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は6月22日、塩野義製薬が申請中の新型コロナウイルス感染症治療薬エンシトレルビル(予定製品名・ゾコーバ)について、緊急承認の可否の結論を先送りした。「さらに慎重に議論を重ねる必要がある」と判断した。今後、薬食審薬事分科会と第二部会の合同会議を開き、あらためて審議する。この日の部会では、▽臨床第2b相(P2b)試験の結果に基づく有効性の評価▽動物実験の所見や臨床試験の結果に基づく安全性の評価▽承認済みの治療薬の状況や、エンシトレルビルによる患者の隔離期間への影響を踏まえた臨床的位置付け▽オミクロン株の流行期に行われた臨床試験であることを踏まえた有効性、臨床的位置付け――が議論となった。
富士レビオHD、神経領域のバイオマーカーを開発するADxを買収
H.U.グループホールディングス(HD)は6月23日、子会社・富士レビオHD傘下のFujirebio Europe(FRE、ベルギー)が、ベルギーのバイオテクノロジー企業ADx NeuroSciencesを買収すると発表した。4000万ユーロ(約57億円)でADxの全株式を取得する。ADxは、アルツハイマー病などの神経疾患領域でバイオマーカーの開発を行う企業。FREはADxとβアミロイドを標的とする血液用検査試薬の開発で提携している。富士レビオは買収によって試薬のラインアップを拡大するほか、診断薬企業向けのCDMO事業を強化する。買収は7月に完了する見通し。
メディシノバ、MN-001の作用解明へ順天堂大と共同研究
メディシノバは6月23日、開発中の「MN-001」(一般名・タイペルカスト)について、順天堂大大学院医学研究科と共同研究契約を結んだと発表した。脂質代謝に関する作用機序や、メタボリックシンドロームなどに対する作用について研究する。MN-001は過去の臨床試験で血清中性脂肪値の低下や血清脂質プロファイルの改善が観察されており、共同研究を通じて作用機序の解明や治療効果が見込める病態の特定などにつなげる。
ロート 中国で再生医療の合弁会社設立へ
ロート製薬は6月22日、中国のバイオテクノロジー企業・華熙生物海南有限公司やバイオミメティクスシンパシーズ(東京都江東区)を含む複数の企業と、中国で再生医療事業を手掛ける合弁会社を設立する合弁契約書を結んだと発表した。合弁会社を通じて細胞培養用培地の開発・製造・販売などの培地事業を推進するとともに、再生医療の研究開発を行う。
マルホ 医療従事者向けLINE公式アカウント開設
マルホは6月23日、皮膚疾患に携わる医療従事者向けのLINE公式アカウント「マルホLink」を開設したと発表した。製品に関する情報やWEBセミナーの案内などを配信。チャットボットでMRへの訪問要請や問い合わせも可能となる。