製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
求人件数は前月から増加
2022年6月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月から増加しました。
職種別に見ると、前月から増加したのは「マーケティング」(前月比20%増)や「薬事」(8%増)、「QC・QA・監査」(7%増)など。一方、減少となったのは「製造技術」(5%減)や「前臨床研究」「品質保証/CMC薬事」「生産技術」(4%減)などでした。
[研究職]大手メーカーで基礎研究の募集活発
大手新薬メーカーで、構造解析など基礎研究分野の募集が活発です。化学メーカーからは原薬研究に関する求人がいくつか出ています。バイオベンチャーの求人は引き続き基礎研究が中心ですが、CMC研究など前臨床フェーズで募集を行う企業も出てきています。
[開発職]メーカーは専門性を求める傾向
開発職は全体的に増加となりました。外資系メーカーを中心に全般的なマネジメントを行うポストで積極的な募集が行われており、領域やモダリティの経験を求める傾向が見られます。モニターの求人もありますが、応募が集中しやすく、メーカーのモニターへの転職を希望する場合は情報をいち早くキャッチすることが大切です。
CROでは、モニターに加え、マネジメント層やモニターをサポートする内勤職の求人が出ています。未経験モニターの募集も引き続き活発です。
[製造職]GQP・CMC関連職で未経験可の募集も
製造職の求人件数はやや減少となったものの、引き続きニーズは堅調に推移しています。製造・品質管理体制をめぐって行政からも十分な人員確保を求められていることもあり、採用を強化する企業も少なくありません。一部の企業では、本社のGQPやCMC領域のPM・薬事といった職種で未経験者も含めた募集が行われています。ジョブチェンジやキャリアアップを目指す人にとってはチャンスといえそうです。
[MR]がんで領域未経験可の求人
MRの求人件数は前月から横ばいですが、メーカーからの求人は昨年の同じ時期に比べて増加しています。先月に続いて外資系メーカーで大型の募集が行われているほか、スポットの求人も増えています。募集を行っている企業の数も2倍近くに増えているので、転職しやすい時期といえそうです。がん領域では、領域未経験でも応募できる複数人枠の求人が出ています。一方で、CSOの採用意欲は昨年の同じ時期と比べると落ち着いてきている印象です。
[マーケティング]メーカーでニーズ堅調
マーケティングの求人件数は前月から20%の増加となりました。引き続きメーカーのニーズが堅調で、AI診断などを手掛けるヘルステック企業からの求人も増えています。ライフサイエンス事業を展開する異業種の企業からも、医療分野での経験者を求める求人が出ています。
※ ※ ※
メーカーの研究職ニーズは例年に比べて少ない印象ですが、開発や製造ではメーカー、受託企業とも採用意欲は高水準。MRも求人のラインアップが増えてきており、転職市場全体としては上昇基調です。
Answers転職サポートでは、求人情報から転職市場の動向まで、幅広く情報を提供しています。転職を考えている方はもちろん、まずは情報収集からという方も、お気軽にお問い合わせください。
(コンサルタント 佐久間貴大)
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