市場は全体的に増加…「製造」はメーカー・受託とも高水準｜製薬業界 転職市場トレンド（2021年9月）

製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」（運営元：株式会社クイック）の専任コンサルタントが毎月レポートします。

全体的に前月から増加

2021年9月の製薬業界の求人件数は全体的に前月から増加しました。

職種別に見ると、前月から増加したのは「PV・PMS」「生産技術」（いずれも12％増）や「製造技術」（9%増）、「QC・QA・監査」（8%増）、「品質管理/分析研究」（6%増）など。一方、減少となったのは「MA・MSL」（14%減）や「MW（メディカルライティング）」（9％減）、「MR」「管理薬剤師」（いずれも4％減）などでした。

［研究職］内資メーカーで新規求人が複数

研究職では、複数の内資系大手メーカーで新規の求人が出ています。バイオ医薬品、遺伝子治療薬、ワクチンといった分野を中心に、各社が増員募集を実施中。バイオベンチャーでは、遺伝子検査や細胞医療を手掛ける企業から求人が出ています。

［開発職］CROの募集が拡大傾向

開発職では、メーカーの採用ニーズは横ばいです。ただ、これまで積極的に募集を行っていた企業で採用が一段落したこともあり、求人のラインアップには変化が見られています。パイプラインの進捗に伴う募集が多く、ひとつひとつの求人の採用枠はそれほど大きくありません。

一方、CROの求人数は前月から増加。これまで中途採用を控えていた内資系CROでは、即戦力となる中堅以上の採用を狙った募集が始まりました。CRO全体としては、引き続き若手からリーダークラスまで幅広く採用が行われています。PV（ファーマコビジランス）でも、CROの受注するプロジェクトが増えたことに伴い、未経験者でも応募可能な求人が出ています。

［製造職］品質管理・品質保証中心に堅調

製造職は引き続き堅調です。「品質管理/分析研究」（6％増）は、大手メーカーと、受託製造に比較的最近参入した企業が中心。「品質保証/CMC薬事」（5%増）では、▽大手からスピンアウトし、管理職以上を求める企業▽パイプラインの拡充に伴う増員募集を行う大手メーカー▽グローバル基準の品質システムの構築を目指す中堅以下のメーカー――に分かれています。メーカーの採用ニーズは、今後も中長期的に続いていきそうです。

［MR/MA・MSL］CSOでMRの大型採用が開始

MRの求人件数は前月から4％減となりましたが、引き続き、欠員に伴うスポット採用を中心に新たな求人が出ています。CSOでは、幅広い年齢層を対象とした大型の採用が開始。10月は社内異動に伴って人材の流動性が高まるタイミングで、新たなピンポイント募集が行なわれるかもしれません。

MA・MSLは前月比12％減。採用が決まって募集を終えた求人が複数あったことで一時的に大幅な減少となりましたが、大手メーカーを中心に採用ニーズは継続しています。

※ ※ ※

転職市場では、製造職を中心に採用ニーズの高い状態が続いています。製造職では、勤務地や取り扱い製品も選択の余地が大きく、これまで以上に幅広いチャンスがあると言えそうです。

Answers転職サポートでは、求人情報はもちろん、転職市場の最新動向まで幅広く情報を提供しています。お気軽にお問い合わせください。

（コンサルタント　佐久間貴大）