
米国に本社を置くコンサルティング企業DRGのアナリストが、海外の新薬開発や医薬品市場の動向を解説する「DRG海外レポート」。昨年、パンデミックの影響を大きく受けた美容医療市場。感染拡大が長期化する中、堅調な回復を見せています。
(この記事は、DRGのアナリストが執筆した英文記事を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです。本記事の内容および解釈については英語の原文が優先します。正確な内容については原文を参照してください。原文はこちら)
堅調な回復
新型コロナウイルスの感染拡大が起こるまで、急成長を遂げてきた世界の美容医療市場。2019年の世界市場は、前年比約8%増の約120億ドル(約1兆3300億円)に達した。
この分野は当初、新型コロナウイルスによる落ち込みが最も大きい分野の1つだった。医療機器の世界売上高上位20社の収益は、2020年第3四半期時点で前年同期から7%減少したのに対し、美容医療分野では23%も減少した。多くの企業が苦戦を強いられたが、現在、市場は急速に回復しつつある。
昨年の第1四半期後半から第2四半期にかけ、世界中の美容医療業界団体は、待機的処置を中心に処置を延期するよう推奨した。こうした制限は第2四半期後半から第3四半期はじめにかけて緩和され、セルフケアへの関心が高まり、バーチャルでのやりとりも増加した。その結果、多くの患者がメンテンス処置を中心に美容治療を再び受けるようになり、市場は堅調な回復を見せている。
セグメントで濃淡
地域によっては制限措置が続いているものの、美容医療市場は年内にほぼ回復すると見込まれている。感染防止対策が行われ、患者側の需要にもほとんど鈍化が見られないことがその理由だ。
回復は市場のセグメントによって多少異なる。アクセスしやすく、低侵襲な処置が最も回復が早いと予想される。
▽機能性化粧品
自宅でのセルフケアに適しており、オンラインでの購入が可能。このため、パンデミックの影響は市場に小さい。
・影響…小さい
・回復…早い
▽美容注射剤
医療施設の閉鎖をはじめとする新型コロナウイルス関連の制限で、悪影響を受けている。ただ、院外での処置が普及することで、回復のペースは上がっていくだろう。
・影響…大きい
・回復…緩やか
▽美容外科エネルギーデバイス
設備の購入がキャンセルになったり、延期されたりしている。医療施設の閉鎖による影響も受けている。
・影響…大きい
・回復…時間がかかる
▽乳房インプラント
待機的処置の延期や施設の閉鎖により、マイナスの影響を受けている。
・影響…大きい
・回復…時間がかかる
(原文公開日:2021年1月18日)
(この記事は、DRGのアナリストが執筆した英文記事を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです)
【記事に関する問い合わせ先】
DRG(クラリベイト・ジャパン・アナリティクス株式会社)
野地(アカウントマネージャー)
E-mail:Hayato.noji@clarivate.com
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