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PBMの動向:スペシャリティ薬の使用管理が薬剤支出を左右する|DRG海外レポート

米国に本社を置くコンサルティング企業DRGのアナリストが、海外の新薬開発や医薬品市場の動向を解説する「DRG海外レポート」。 米国の薬剤給付管理会社(PBM)の最近の動向をまとめました。

 

(この記事は、DRGのアナリストが執筆した英文記事を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです。本記事の内容および解釈については英語の原文が優先します。正確な内容については原文を参照してください。原文はこちら

 

2019年の動向

薬剤給付管理会社(PBM)の動向に関するレポート(2019年)によると、大手のエクスプレス・スクリプツとCVSケアマークが強力な市場コントロールを進めた一方、プライム・セラピューティクスは薬価の高騰に効果的な対応を打ち出すことができなかった。薬剤の価格は緩やかな上昇傾向にあり、平均で3%上がった。ほとんどのPBMにとって、使用量の増加がスペシャリティ医薬品の支出増の最も大きな原因となっているが、メドインパクトのコスト管理戦略はうまく機能していない。

 

2019年のPBMの支出額を見てみると、患者の支払額は前年比で1ケタ台前半を維持しており、スペシャリティ医薬品の費用増が支出増加の大きな原因となっている。いずれのPBMでも、総支出に占めるスペシャリティ医薬品の割合は、前年から増加している。

 

2019年は、「ステラーラ」の適応拡大や「スキリージ」の承認により、炎症性疾患の治療が拡大した。この薬剤クラスは、高額で使用量も多く、支出全体に占める割合は大きい。ほとんどのPBMでは、使用量の増加が薬剤費上昇の原因となっているが、プライム・セラピューティクスとメドインパクトのレポートでは、使用量の増加率より単価の上昇率の方が高くなっている。

 

 

いずれのPBMでも、スペシャリティ医薬品の費用上昇率は、薬剤全体のそれと比べてはるかに大きかった。スペシャリティ薬の支出が増加しているのは、単価の上昇よりも使用量の増加が大きく影響している。スペシャリティ領域は業界の意思決定に大きな影響を与え続けており、PBMによるスペシャリティ医薬品の管理は今後も注目される。高額なスペシャリティ医薬品の中でトップに位置するのは炎症性疾患治療薬で、適応拡大や新規承認、そして後発医薬品の発売にも活発な動きが見られる。

 

既存薬の費用上昇は小さくなってきているが、これは単価が下落し、後発品の使用率も一定の割合で推移しているからだ。2019年、疼痛や炎症性疾患の治療薬は、乱用の懸念によってオピオイドの使用が控えられ、そこに後発品の参入が重なったことで、コストが低下した。糖尿病領域でも後発品の参入が続くが、インスリンがコストを押し上げている可能性がある。薬剤の使用が急増しているのは、抗精神病薬、抗うつ薬、糖尿病治療薬だ。

 

2020年に注目されたトピックス

コロナ禍で処方量や調剤量に対する制限が緩和されており、保険プラン提供者の支出額が変動する可能性がある。当初は供給に問題が生じ、薬剤の使用にも影響が出た可能性があるが、長期的に薬剤消費は安定するはずだ。

 

 

「ゼルヤンツXR」と「ステラーラ」が潰瘍性大腸炎を対象にラベルが広がり、「ゼルヤンツ」が多関節の活動性を有する若年性特発性関節炎の治療薬として承認された。自己免疫疾患領域はスペシャリティ医薬品全体の動向を大きく左右するが、これらの承認によってこの領域はさらに強化される。

 

競争力を維持し、顧客をつなぎとめるため、プライム・セラピューティクスは2020年4月1日から3年間の契約で、エクスプレス・スクリプツと提携した。エクスプレス・スクリプツがプライム・セラピューティクスに代わってリベート交渉や薬局との契約を担う。海外を拠点とするエクスプレス・スクリプツの共同購入組織アセント・ヘルスを使うことで、節税が可能となり、エクスプレス・スクリプツはその見返りとして管理手数料を受け取ることができる。

 

 

「ニューラスタ」と「エポジェン」のバイオシミラーは2019年、短期間での参入と成長を果たし、それが価格の低下につながった。スペシャリティ領域では、2023年までにさらに多くのバイオシミラーの発売が見込まれる。米FDA(食品医薬品局)は、「ハーセプチン」のバイオシミラー5つと、「アバスチン」のバイオシミラー2つを承認している。こうしたバイオシミラーは、市場への浸透スピードも速く、高額な治療薬の領域に競争を生み、コストの削減をもたらす可能性がある。

 

スペシャリティ医薬品は依然として薬剤費上昇の主要な原因となっている上、開発パイプラインでも中心を占めており、今後も薬剤使用の動向を決める大きな要因であることに変わりはない。使用管理とフォーミュラリーの策定・見直しは、コスト削減をもたらす薬剤クラスが中心となるだろう。

 

(原文公開日:2021年1月29日)

 

(この記事は、DRGのアナリストが執筆した英文記事を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです)

 

【記事に関する問い合わせ先】
DRG(クラリベイト・ジャパン・アナリティクス株式会社)
野地(アカウントマネージャー)
E-mail:Hayato.noji@clarivate.com

 

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