AnswersNewsメールマガジンのユーザーを対象に、製薬業界で働く人のキャリアや働き方に関するアンケート調査を実施。今月のテーマは「今後のキャリアに不安を感じていますか?」です。
85%がキャリアに不安
製薬業界で働く653人に「今後のキャリアに不安を感じていますか?」と尋ねたところ、全体の84.8%が「感じている」と答えました。
職種別に見ると、「営業」では91.7%がキャリアに不安を感じており、「研究」(88.1%)や「メディカル」(86.4%)でも9割近くに上りました。年代別では、20代が89.5%で最も高く、40代でも9割近くの人が不安を感じていました。
「職種の将来」「会社の将来」に不安
「今後のキャリアに不安を感じている」と答えた人に、どのような不安を感じているか尋ねたところ、最も多かったのが「職種の将来性」(49.1%)。次いで多かったのは「キャリアパスが限られる」(43.0%)で、以下、「会社の将来性」(42.2%)、「製薬業界の将来性」(34.7%)、「スキル・知識の不足」(33.4%)と続きました。
このうち、最も強く感じている不安を挙げてもらったところ、最も多かったのはやはり「職種の将来性」(24.5%)。「会社の将来性」と答えた人も21.1%おり、「製薬業界の将来性」(14.6%)と「キャリアパスか限られる」(14.1%)も1割を超えました。
感じる不安は、職種によっても傾向が異なります。MRの減少が続く営業では「職種の将来性」が最も多かった一方、製造では「スキル・知識の不足」が最多。マーケティングや研究、開発、メディカルなどでは「会社の将来性」への不安を感じる人が多くいました。給与に対する不安が比較的大きかったのは、製造と薬事・信頼性保証。研究では、ほかの職種に比べて「どんな仕事をしたいのかわからない」と答えた人の割合が高いのも目を引きます。
年代別では、20代で「スキル・知識の不足」や「キャリアパスが限られる」が多かった一方、30代と40代では「職種の将来性」や「会社の将来性」との回答が目立ちました。「スキル・知識の不足」は年代が高くなるにつれて減る一方、逆に「製薬業界の将来性」に不安を感じる人の割合は上の年代ほど増えていました。
早期退職やパイプラインの不足などが不安のきっかけに
アンケートでは、キャリアに不安を感じている人に「どんな時に不安を感じるか」についても聞きました。全体的に見ると、早期退職をはじめとする人員削減のニュースや、パイプラインの不足をきっかけに不安を感じる人が多いようです。営業では、「新型コロナウイルスで医療機関を訪問できない」「MR活動の制限が厳しくなっている」との回答も目立ちました。
【職種の将来性】
「Webを通じた情報提供が進んでいるのを感じた時」(30代/外資新薬メーカー/営業)
「新型コロナウイルスの影響で訪問しにくくなったが、売り上げは変わらない」(30代/外資新薬メーカー/営業)
「医療者とのコンタクトが取りにくくなっている。顧客に求められない仕事に将来はない」(30代/外資新薬メーカー/営業)
「規制強化による環境変化」(30代/内資新薬メーカー/営業)
「MRとして働いていると常に不安を感じます」(30代/CSO/営業)
【会社の将来性】
「パイプラインを評価する時」(50代/内資新薬メーカー/マーケティング)
「新規標的の枯渇や臨床試験の難易度の上昇を感じた時」(30代/内資新薬メーカー/研究)
「新薬を短いスパンで出せない」(30代/外資新薬メーカー/営業)
「会社の決算発表を見た時。将来の展望に魅力を感じない」(20代/後発品メーカー/研究)
「優秀な人が辞めていく時」(20代/その他製薬関連産業/薬事・信頼性保証)
【製薬業界の将来性】
「毎年の薬価改定による利益率の低下と、それに伴う投資の減少」(50代/外資新薬メーカー/営業)
「国内市場のマイナス成長が見込まれること」(30代/その他製薬関連産業/マーケティング)
「業界に対する世間や政策の締め付けを感じる時」(20代/内資新薬メーカー/営業)
「同僚が異業種への転職を決めた時」(30代/外資新薬メーカー/営業)
【スキル・知識の不足】
「グローバルとやりとりする時や、論文を読んでいる時」(30代/外資新薬メーカー/メディカル)
「医師との面会時」(30代/内資新薬メーカー/営業)
「学生時代の友人と話すときなど」(30代/内資新薬メーカー/開発)
【キャリアパスが限られる】【出世が見込めない】
「MRから異動できる部署が限られている」(20代/内資新薬メーカー/営業)
「病院を訪問できず、余った時間に悶々と考えている」(30代/CSO/営業)
「昇格が実力ではなく年功序列」(30代/CRO・SMO/研究)
「能力のない人が出世した時」(40代/内資新薬メーカー/営業)
【どんな仕事をしたいのかわからない】
「在宅勤務で特に業務が無い時」(30代/内資新薬メーカー/営業)
「担当業務に興味が持てない時」(40代/内資新薬メーカー/開発)
「コロナ禍で外勤の時間が減り、本来のMR活動ができていない時」(20代/外資新薬メーカー/営業)
【給与が低い】
「家族の将来を考えた時」(30代/CSO/営業)
「日当がなくなった」(30代/CSO/営業)
「他社の話を耳にした時」(40代/内資新薬メーカー/薬事・信頼性保証)
不安を感じていない理由は
一方、「不安を感じていない」と答えた人にその理由を尋ねたところ、「安定しているから」「生命関連産業として必要とされているから」との回答が目立ったほか、自身のスキルや専門性に自信を持っている人が多いことが伺えました。
「コロナ禍でも安定しているから」(40代/外資新薬メーカー/開発)
「生命関連産業として必要とされているから」(30代/内資新薬メーカー/開発)
「世界的にライフサイエンス分野への投資が盛んで、業界として成長を感じるから」(30代/内資新薬メーカー/その他)
「仕事としてなくなることはないと考えているから」(30代/外資新薬メーカー/営業)
「自分の専門性に自信があるから」(30代/外資新薬メーカー/営業)
「スキルがあるから」(30代/CMO・CDMO/製造)
「投資である程度の資産ができたから」(40代/外資新薬メーカー/営業)
◆アンケートの概要
調査方法・回答者:AnswersNewsメールマガジン登録者にアンケートフォームを送信し、製薬業界で働く653人が回答 調査期間:2020年11月20日~12月4日 |
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