製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
全体的に前月から増加
2020年12月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月から増加しました。
職種別に見ると、前月から増加したのは「マーケティング」(13%増)や「生産技術」(12%増)、「PV・PMS」(10%増)など。一方、「MR」(6%減)や「QC・QA・監査」(5%減)、「薬事」(4%減)などは減少しました。
[研究職]メーカー、バイオベンチャーとも募集あり
研究職では、先月に引き続き内資系大手メーカーで募集が行われています。準大手や中堅のメーカーでは、バイオ医薬品事業の拡大に伴う求人も。バイオベンチャーでのニーズも徐々に回復してきている印象で、一部の企業では開発段階の進展に伴う募集が始まっています。
[開発職]一部CROでCRAやPVの求人が増加
メーカーでは、CRA(モニター)の募集がいったん落ち着き、現在はプロジェクトマネジメントや開発企画などの募集が中心となりました。大手・準大手メーカーでは、グローバル開発強化に向けた増員募集も出ています。
CROでは、採用に積極的な企業とそうでない企業の二極化が鮮明になっています。内資系・外資系とも、積極的に採用を進める企業では求人件数も増加。CRAでは製造販売後調査(PMS)モニターも含めて求人が増加しており、プロジェクトの受注に伴ってPV(ファーマコビジランス)の募集も行われています。
[製造職]堅調を維持、設備増強の企業でニーズ拡大
製造職は、「品質管理」「品質保証」を中心に堅調。大手から中堅、小規模メーカーまで幅広く募集が行われており、品質保証では本社でGQP対応を行う経験者向けの求人があります。
12%増となった「生産技術」では、メーカーを中心に製造設備を増強した企業からのニーズが拡大。デジタル化を含め、グローバルでの製造体制強化に向けた募集も出ています。
[MR/マーケティング]メーカーのMR採用が一段落、CSOは活発化
MRの求人件数は、メーカーでの採用が一段落したこともあり、6%減となりました。ここ数カ月続いていた2桁人数の募集も落ち着き、現在は数人枠での募集が中心。CSOは各社で複数人規模のプロジェクトが出てきており、全体的に募集が活発化しています。メーカーの人員削減に伴い、今後もCSOの採用は続きそうです。
一方、マーケティングの求人件数は、新薬の発売や今後の適応拡大を見据えた募集があり、前月から13%の増加となりました。特に外資系企業でニーズが高く、製品のローンチ経験や業界でのマーケティング経験が求められます。
※ ※ ※
2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大によってMRやCRAを中心に転職市場も大きな影響受けました。一時は採用の見直しなどで求人数が停滞したものの、ここ数カ月は企業側の採用意欲も回復傾向にあります。若手層を対象とした求人は少なくなりましたが、経験者層に対してはコロナ前より積極的に募集を行うケースも出てきている印象です。
なかなか先が見通せない中、最近では「今すぐ転職したいわけではないけれど、自分に合う企業があれば応募してみたい」というご相談を受けることも増えてきています。今年は、医療機器やヘルステックなどの業種にキャリアチェンジするMRの方も多くいました。
Answers転職サポートでは、最新の求人から転職市場の動向まで幅広い情報を提供しています。転職を考えている方はもちろん、キャリアにお悩みの方も、お気軽にお問い合わせください。
転職市場のトレンドを毎月お届けしてきた本コーナーも、今回が今年最後の更新となります。1年間お付き合いいただき、ありがとうございました。
(コンサルタント 香本牧子)
今いる会社の将来性が不安な方へ。
製薬業界専任のコンサルタントが、悩みや不安を元にキャリアについてアドバイスさせていただきます。
まずはお気軽にご相談ください。
※状況によりご相談に乗れない場合がございます。予めご了承ください。
あわせて読みたい
オススメの記事
人気記事
【無料】製薬業界専門転職サポート
【無料】製薬業界専門転職サポート
製薬業界専任のコンサルタントが、悩みや不安を元にキャリアについてアドバイスさせていただきます。
まずはお気軽にお申し込みください。