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小さな患者集団を正確に把握し、理解するには|DRG海外レポート

米国に本社を置くコンサルティング企業DRGのアナリストが、海外の新薬開発や医薬品市場の動向を解説する「DRG海外レポート」。 ニッチな適応症を対象とする医薬品の開発が広がる中、対象となる小規模な患者集団を正確に把握し、理解するにはどうしたらいいのでしょうか。

 

(この記事は、DRG発行のレポート「Picturing the hidden patient」の一部を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです。本記事の内容および解釈については英語の原文が優先します。正確な内容については原文を参照してください。レポートのダウンロードはこちら

 

開発者側が抱える困難

近年、医薬品の高度化とターゲットの絞り込みが進んだことで、多くの新しい治療法は―希少疾患であれ、一般的な疾患であれ―より小さい患者集団を対象とするようになってきている。特定のバイオマーカーをキーに新薬開発を行うバイオテクノロジー企業も数多く誕生しており、ニッチな適応症をターゲットとすることは、この新興エコシステムのスタンダードとなっている。

 

これは、患者にとっては朗報だ。ある人にとっては、これまで存在しかなった治療選択肢が得られることを意味し、またある人にとっては、的を絞ったより効果的な治療を受けることで、効果のない治療を試すために貴重な時間を使わずに済むことを意味する。

 

一方、開発者側には困難がある。市場投入を成功させるには、定義することが難しい患者集団を正確に把握しなければならない。

 

小さな患者集団を対象とした治療法を効果的に開発し、商業化するには、製薬企業は正確な情報を把握しておく必要がある。

 

【ロバストな患者分析が必須】(Input/Needed to): 治療対象となる患者集団の真の規模と場所/◆オーファンドラッグの申請をサポート◆臨床試験の適正な規模を定義◆石教育に適したサービスサイトをセグメント化 |下位集団の真の規模と特徴/◆重症や併存疾患に応じた患者集団のセグメント化 |治療パターンと治療振興のライン/◆アンメットニーズの特定◆治療施設のマップ化 |患者のアンメットニーズ、重要な行動のきっかけ、治療への障壁/◆適応症と患者エンゲージメントの取り組みに関する情報提供◆患者が保険の対象となっているかを把握 <Risk of not getting right> ◆十分な知識を持たない医師/未診断の患者◆効果的でないメッセージング/情報提供の不足◆適切なタイミングで適切な患者に治療が届かない◆リソースの配分ミス◆不利な商慣行賞/患者が治療にアクセスできない |※DRG「Picturing the hidden patient」をもとに作成

 

「希少疾患患者とそのケアを行う人たちは、その疾患のソートリーダーだ。企業は多種多様な情報源に目を向け、患者を正確に理解し、開発のあらゆる段階で患者の意見に耳を傾けることが重要だ」(マイク・ワード=DRGヘッド・オブ・ソートリーダーシップ)

 

「オーファンドラッグを申請する場合、あるいは患者のサブセットの中でアンメットニーズを特定しようとする場合、新たな治療法を迅速に市場投入して患者に届けるには、それをしかりと裏付けるエビデンスが必要になる」(二シャント・クーマー=DRGエピデミオロジー・ディレクター)

 

セグメント化を難しくしている要因

一方、患者のセグメント化を困難にしている要因には、さまざまなものがある。

 

【小規模な患者集団のセグメント化を困難にしている要因】 <研究が不足している>●これらの疾患は一般的でないため、十分に理解されておらず、診断も不十分な可能性がある <患者コホートが非常に広くなる可能性がある>●患者集団内の下位集団は、重症度、併存疾患、環境因子、行動、治療経路によって大きく変化する <コードではカバーされていない> ●多くの場合、小規模な患者集団を苦しめている疾患にはICD-10コードが割り当てられておらず、文献も少ないため、従来のアプローチでは発症率や有病率を理解するのが難しい<ペイヤーとプロバイダへの教育が必要>●医師もペイヤーも馴染みがないため、適切な診断と治療を行うための教育が必要になる場合がある●潜在的な治療の変曲点を理解することは、潜在的な疾患の特定と診断のスピードを上げるのに役立ち、未診断患者の減少、患者の健康状態の改善、さらにはペイヤーのコスト削減につながる 「これらの課題に加え、COVID-19のパンデミックによって引き起こされたケアの混乱が、アナリティクスへの戦略的アプローチをより緊急性の高いものにしている |※DRG「Picturing the hidden patient」をもとに作成 」

 

「患者集団とは、平均的な患者像ではない。何千人、何百万人という患者がいる中、個々の治療アクセスや治療成績に影響を与える要因が複雑に絡み合っている。製薬企業は、そうした個々の患者にリーチし、関与する必要がある」(シモン・アンドルーズ=DRGバイスプレジデント、アナリティクス)

 

複数のデータを組み合わせて分析することで、患者の行動やニーズをより具体的に理解することができ、結果として転機の改善につながる治療やサポートを提供することが可能になる。

 

医学は奇跡的な治療法を生み出しており、真に個別化された医薬品が現在の標準治療と同じように一般的なものとなる世界に向かって前進している。この目標に近づくためには、製薬企業は患者にもっと近づく必要がある。従来の方法論に新たなデータソースやテクノロジーを組み合わせることで、これまで見えなかった患者層を特定し、理解し、それによって新しい治療法へのアクセスを開くことができる。

 

「異なる複数のデータソースを組み合わせることは、従来考えられていた以上に重要であるとともに、非常に複雑なことでもある。個々のデータソースには強みと弱みがあり、それを理解した上で適切に組み合わせることが必要だ」(ワウテル・ファン・デル・プルイム=DRGデータ&アナリティクス・ディレクター)

 

(この記事は、DRG発行のレポートの一部を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです)

 

【記事に関する問い合わせ先】
DRG(クラリベイト・ジャパン・アナリティクス株式会社)
野地(アカウントマネージャー)
E-mail:Hayato.noji@clarivate.com

 

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