製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
全体的に前月から微増
2020年10月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月からわずかに増加しました。
職種別に見ると、前月から増加したのは「基礎研究」(22%増)や「前臨床研究」(16%増)、「薬理研究」(9%増)、「MW(メディカルライティング)」(7%増)など。一方、「管理薬剤師」(12%減)や「PM・PMS」(7%減)、「開発企画・PM」(6%減)などは減少しました。
[研究職]全体的に求人増、受託企業からのニーズも
「基礎研究」「前臨床研究」のほか「薬理研究」でも求人件数が増加しましたが、市場全体としては数字ほどの活気はありません。
最近では、受託企業からの募集も出てきています。バイオベンチャーやメーカーでは、増員募集や事業拡大に伴う募集が行われているほか、異業種からの参入も見られます。
[開発職]CRAの求人は回復傾向
新型コロナウイルスの影響で一時採用が落ち込んだCRAは、順調に求人件数が回復していきています。一部のバイオベンチャーや中堅メーカーなど、これまで募集を控えていた企業からも開発の進捗にあわせた募集が出てきました。一つひとつの求人の応募枠は限られますが、年末にかけて市場は活気を取り戻しそうです。
一方、求人件数が減少したのは「開発企画・PM」「PV・PMS」など。ただし、減少の要因は、採用時期の見直しと、スポット的な求人の募集終了が重なったことによるもので、採用意欲自体に落ち込みは見られません。
[製造職]新型コロナワクチン関連の募集も
引き続きQC・QA・CMCに関連した募集が活発です。
募集の中心はバイオ製剤ですが、低分子や中分子、再生医療等製品などの取り扱いもあります。最近では、新型コロナウイルスワクチンの製造に携わるQA・QC関連職種の募集も出ています。
[MR]若手中心に十数人規模の募集、応募は早めに
MRは前月から横ばい。メーカーで引き続き10~20人規模の募集が行われています。募集の中心は若手層ですが、即戦力として活躍できる人を求める傾向は高まっています。一方で転職を考える人は増えてきており、応募が殺到して募集が早期に終了する求人も少なくありません。
CSOは、少しずつ企業側の採用意欲が戻ってきている印象です。対象は若手層が中心ですが、勤務地や領域が合えばシニア層からも応募可能なプロジェクトも出ています。
[MA・MSL/マーケティング]求人件数は減少も、募集は継続
「MA・MSL」「マーケティング」は、ともに求人件数が減少したものの、新規の募集も出ています。
MA・MSLは、がんや中枢神経、希少疾患といった領域で求人が出ています。メディカルの経験者ほど有利ではありますが、研究開発のバッググラウンドがあれば未経験でも応募できる求人もあります。
マーケティングでも、ブランドマネジメントや市場リサーチといった実務経験があれば、領域経験がない人でも応募できるケースも。市場では、ヘルステック関連のニーズが高くなってきているようです。
※ ※ ※
新型コロナウイルスの影響が長期化したことで、これまで様子見だった方が転職活動を始めるケースが増えてきている印象です。市場でも、半年前と比べると求人件数は増加しています。
Answers転職サポートでは、求人情報はもちろん、転職市場の最新動向も含め幅広い情報をご提供しています。お気軽にお問い合わせください。
(コンサルタント 三浦亜理沙)
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