【新薬】経口アザシチジン「Onureg」やRET阻害薬「Gavreto」など
「Qdolo」米アテナ・バイオサイエンス
疼痛治療薬「Qdolo」は、オピオイドアゴニストであるトラマドール塩酸塩の経口液剤。オピオイド鎮痛剤が必要なほど重度で、代替薬で効果不十分な成人患者が対象です。経口液剤が承認されたことで、嚥下障害のある患者などにも使用しやすくなりました。
「Onureg」米ブリストル
新規の経口アザシチジン製剤「Onureg」は、寛解導入化学療法で初回寛解を達成した急性骨髄性白血病患者の継続療法に使用する薬剤として承認。承認のもととなった臨床試験では、プラセボに比べて全生存率を10カ月近く改善しました。欧州でも申請を済ませています。
「Gavreto」米ブループリント
RET阻害薬「Gavreto」(pralsetinib)は、RET融合遺伝子陽性の転移性非小細胞肺がんが対象。RET遺伝子変異陽性の甲状腺髄様がん、RET融合遺伝子陽性の甲状腺がんでも申請中です。米国では米ジェネンテックと共同で商業化する予定で、米国と中国以外ではスイス・ロシュが販売権を持っています。
「Alkindi sprinkle」米イートン
ヒドロコルチゾン粒剤「Alkindi sprinkle」は、小児の副腎機能不全治療に対する副腎皮質ホルモン補充療法に使用されます。経口のヒドロコルチゾンはこれまで錠剤のみでしたが、粒剤の登場で、低用量での投与がしやすくなると期待されます。
【適応拡大】「Nucala」の好酸球増多症候群、「Xeljanz」の若年性特発性関節炎など
「Kalydeco」米バーテックス
嚢胞性線維症治療薬「Kalydeco」(ivacaftor)は、CFTR遺伝子変異を1つ以上持つ生後4カ月以降の小児に使用できるようになりました。従来は生後6カ月以上の患者が対象でしたが、より早期に治療を開始することで、その後の経過が良くなる可能性があると期待されています。欧州でも近く承認される見通しです。
「Nucala」英グラクソ・スミスクライン
抗IL-5抗体「Nucala」(mepolizumab)は、好酸球増多症候群に適応拡大しました。対象は、6カ月以上症状が続いていて、非血液学的二次要因のない12歳以上の患者です。同疾患に対する抗体医薬は米国初となります。
「Xeljanz」米ファイザー
JAK阻害薬「Xeljanz」(tofacitinib)は、多関節型の若年性特発性関節炎に適応拡大。2歳以上の小児が対象です。適応拡大とあわせて、経口液剤も承認されました。
「Fetroja」塩野義製薬
抗菌薬「Fetroja」(cefiderocol)は、グラム陰性菌による院内肺炎(院内細菌性肺炎、人工呼吸器関連肺炎)への適応拡大が承認。同薬はカルバペネム系抗菌薬に耐性を示すグラム陰性菌に効果を示す薬剤で、米国では今年2月、複雑尿路感染症の適応で発売されました。
「Simponi ARIA」米ヤンセン
抗TNFα抗体golimumabの静注剤「Simponi ARIA」は、新たに多関節型の若年性特発性関節炎と乾癬性関節炎の適応で承認。皮下注製剤は乾癬性関節炎に使用できますが、若年性特発性関節炎では承認されていません。日本では関節リウマチ、潰瘍性大腸炎治療薬として皮下注製剤が販売されています。
AnswersNews編集部が製薬企業をレポート